2020.5.10
可もなく不可もなく…70点止まりの人生でいいのだろうか~MBお悩み相談その9
若い私は「お金が幸せの尺度を決めるものだ」と誤解していたので、お金を稼ぐためにあらゆることを試しました。
サイト構築の技術を独学で学び副業で請負ったり、グラフィックを勉強してロゴデザインの仕事を受けたり、投資を勉強してFXでそれなりに稼いだこともありました。
様々な仕事を試し「副業」としてはまあまあそれなりにお金は入ってきましたが……忙しいばかりで幸福度が上がった気はあまりしませんでした。
「私の人生は、どう作っていけば理想になるのだろう?」
そう考えた時に、もう一度「服」に考えを戻しました。
「特別」を持たない私ですが、センスも服への情熱も有名なデザイナーよりははるか劣る私ですが、でもやっぱり人生で「いつまでも触れていたい」のが服でした。
「特別」ではないにせよ、私の人生にとって「必要」なものであることに違いはない、そう確信していました。
だからこそ私は「服」を仕事として何事かを成すと決めたのです。
ここからはご存知の通りですが、特別じゃないからこそ頭を捻る必要がありました。
服への情熱であふれんばかりな有名デザイナーは、その情熱がそもそも「特別」なわけで、思う通りに追求していれば勝手に人が面白がって仕事をくれるでしょう。
「好き」というのはそういうことです。
でも私のように、サブローさんのように、「好き」がそこまで高くない人も多いはず。
例えば「野球は好きだけど選手にはなれない」人なんて多いでしょう?
ではそうした人はどう生きればいいのか。
好きを仕事にするためには、嫌なことをクリアしなければならない
「好き」がそこまで強くない人は、その分、「社会」が求められる形に変換する必要があるのです。
好きの度合いがものすごく高いと、思うまま勝手にやってもうまくいきます。
しかしそうじゃない人は、「好き」を「他人が求める形」に変換しなければいけない。
だから私は「服」を他人が求める形で変換し、「ファッションを論理的に教える」という仕事を作り上げたのです。このあたりの詳細は他の連載や書籍でも語っていることなので省略しますが。
サブローさんは「昔から特別これが好きだ!ということがない」とありますが、そんなの誰でも同じですよ。私もそうです。
「特別」がつくくらい好きなことがあり、それを盲信して追求できる人などそう多くありません。
だからこそ皆「好き」を「仕事」にする方法を一生懸命模索するのです。
サブローさんがもし「〝好き〟を仕事に」と考えるのであれば、あまりにも追求が甘すぎます。
「好きなジャンルをかいつまんでYouTubeに動画投稿し始め、それも20本ぐらいになりました。しかし、動画によっては話題のジャンルを取り上げたことで何千回か再生されるものもありますが、2桁再生のものもあります。チャンネル登録してくださる方も2桁です。専門性のない自分では需要がないのかな…と感じ始めています。
彼女や友人、バンド活動の時間を削って動画作成しても再生数は伸びず、これまた〝時間を削ってまでやることなのだろうか〟とも感じ始めています」
とありますが……20本動画を投稿すれば1000人10000人とチャンネル登録が増えるとでも思っていたのですか?
そんなことないでしょう?
それは追求をしたくない、面倒くさい自分に対する言い訳でしかないですよ。
※参考「【悲報】99%の人が目標設定のやり方を間違えている、だから物事は続かない。」
こちらの動画を見てください。
好きなことを仕事にするためには、嫌なことをクリアする領域が必ずあります。
上述の「特別好き」を持ってる人はいわゆる「天才」であり、そうした人にはそのタームが必要ありません。
好きを徹底的に楽しむだけで周りが面白がってくれるからです。
人より死ぬほど映画を見ている人に「映画のおすすめ」を聞きたくなるでしょ?
毎日100冊本を読んでる人の「本のおすすめ」を知りたいでしょ?
「特別好き」を持つ人は、それだけで社会の需要を満たせるのです。
だから「好きなことを仕事にしよう」という論が分かりにくくなっています。そうした「天才」は「好きなことだけ徹底的にやればいいじゃん」という論しか持ち得ないから。
持たざるもの、凡人の気持ちがわからないのです。
だから「好きなことを仕事に論」は人により破綻するのです。
でも私は凡人ですからサブローさんの話がよく理解できます。
我々凡人は「好きなこと」をするために「嫌なこと」をクリアしなければいけないのです。
ちゃんとそのジャンルで何がウケてるか調べましたか?
構成はどんな風にしていますか?
台本は作りましたか?
分かりやすいように話せましたか?
あなたの動画を見る顧客は設定していますか?
ただ20本動画投稿するだけで需要が生まれるのなら、あなたは数少ない0.0000001%の「天才」なのですよ。
でも残念ながら私もあなたも「凡人」です。
それならば「嫌なこと」をクリアするタームが必要なのです。
私は綺麗事じゃなくてちゃんと言いますよ。
好きを仕事にするのなら、「嫌なことをクリアする覚悟」を持ちなさい。
「専門性のない自分では需要がないのかな…と感じ始めています。」
なんてそれっぽい言葉で自分を納得させている場合じゃないんですよ。
もしそれを仕事にしたいなら、1年でも半年でも、歯を食いしばって嫌なことをクリアしなきゃいけないんです。
専門性がないからこそ、他人に受け入れてもらえる工夫をしなくちゃいけないんです。
私が簡単にMBになれたとでもお思いですか?
10本20本の動画投稿で勝手にもてはやされたとお思いですか?
違うんですよ。血の滲む努力を最初の1年間でやっているからこそ、次の10年が輝くんです。
努力した人にしか未来はこないんですよ。
それっぽい言葉で誤魔化していては、輝きなんて生まれません。