2020.4.12
望んだ人事異動だけど、理想と現実のギャップに大後悔しています~MBお悩み相談その5
人間とは極めて多面的に出来ている生き物
MBの回答
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MBコメント:
ありがとうございます。
この世にある全ての物事、全ての事象は多面的です。
一面的な物の見方や考え方ばかりしていては正しい判断や正しい認識を得ることが出来ません。
例えば「人」を考えてみましょう。
SNSをざっと眺めてください。twitterのタイムラインを眺めれば驚くほど罵詈雑言の嵐です‥‥
「馬鹿じゃないか?」
「何考えてんだ」
「右翼だ」「左翼だ」
「差別だ」。
しかしながらSNSでこれだけ汚い言葉が並んでいるけれど、直接これらの言葉を現実世界でぶつけられたことがあるでしょうか?
皆さん、ほぼ経験はないはずですよね?
そうです。
SNSという安全地帯だからこそ自由きままに責任なく人を傷つけ、叩き、陰口を言えるわけですが、そうした人たちも現実世界では相手のことを重んじて考えて、優しくなれるのです。
無論、SNSがその人の全て「本性」を表すわけでもありません。また、同時に現実世界のふるまいがその人の全てでもありません。
これら全ての面を含んで「その人」を形成しているのです。
この世に本当の意味で「悪人」はいません。
SNSで汚らしい言葉をブチ撒けている人も「善人」である面を持っています。
またこの世に本当の意味で「善人」もいません。
清廉潔白に見える人でも「悪人」である面を必ず持っています。
このように人間は極めて多面的に出来ています。
しつこいですが、今度はビジネスに置き換えて考えてみましょう。
以前私が勤めていた会社(宝飾類の販売店)に泥棒が入ったことがありました。
暗躍していた海外の窃盗団(当時いくつもの宝飾品店が被害にあいました)に狙われ、なんと被害総額2億円。お店の在庫の大半が持っていかれてしまい壁と金庫には大きな穴が‥‥。
取締役や私たち社員含め誰もが絶望を感じていました。
そりゃそうです、会社の危機ですから。
しかし社長は皆に堂々とこう言い放ちました。
「なんだ、良かったじゃないか!」
「盗られたからセキュリティに気がつけたんだ。会社が大きくなる前に気がつけて、本当に良かったなあ。」
と、焦らず臆せず笑ったのです。
私はこの時「事実は一つだが、真実は人によって違うのだ」と理解しました。
一面的なものの見方をするならば「2億円とはなんてことだ! もう会社は終わりだ!」と考えるでしょう。
しかし多面的なものの見方をするのあれば「盗られて良かった」とさえ思えるのです。
そして社長の言葉通り、売上の大半を盗まれ、窮地に陥ったものの会社は盛り返し、現在では過去よりもさらに売上を拡大しているそうです。