よみタイ

群ようこ「今日は、これをしました」
物を減らす、無駄なことはしない、必要以上に買わない。
「しない。」生活のなかだからこそ、手に入れるもの、するべきことは
試行錯誤を繰り返し、日々吟味している群ようこ氏。
そんな著者の「しました、食べました、読みました、聴きました、着ました」
など、日常で「したこと」をめぐるエッセイです。


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今日は、これをしました 第14回

 オリンピックの開会式での、わたなべなおの「オリンピッグ」の件で、もりよしろう発言から続く女性差別問題が再燃した。一年前の内輪でのLINEが出てきたのも変な感じで、当初は彼女も巻き込まれて災難だったなと思っていたのだが、それだけではなかった。この原稿を書いている時点では、週刊誌では開会式に携わっていた能力のある人たちをクビにした他にも、開会式典の闇の部分の報道があったり、それを報じた週刊誌を五輪組織委員会が回収しろといい出したり、わけがわからなくなっている。相変わらず新型コロナウイルスが終息する気配は皆無だし、あと三か月しかない開催間近でこの体たらくなのだから、選手の方々は本当にお気の毒だが、オリンピックはやめたほうがいい。 
 女性差別の件にしても、私が若かった四十年前から何ら変わっていない。当時、女性が学校を卒業して、結婚までの腰掛けではなく、一生、働き続けたいと思ったら、社会的な状況が整っておらず、結婚、出産など、何かを犠牲にしなくてはならなかった。「男女雇用機会均等法」は、国はやっていますというアピールで、実がないうさんくささも多少は感じたが、それでも女性に就職の門戸が広げられるきっかけにはなった。
 二〇一五年頃には、女子大生の就職率も高くなり、これで世の中の考え方も変わるのではと期待していたが不景気が続いているうえに、現在は新型コロナウイルス拡大の影響もあり、女性だけの問題ではないけれど、特に女性の失業率、貧困の問題が出てきた。自殺率も高くなっていると聞いた。生理用品さえ買えない女性がいると知って、ため息しか出てこない。
 私自身は他人からは見えない部分、たとえば食事、自分の健康や衛生に関するものに、まずお金を遣うのが大切と考えているので、服などを買うお金があるのだったら、それを回せばいいのになどと考えていたが、実際はスマホ、服、化粧品、食事など、すべてを切り詰めてもお金をねんしゅつできない女性がいるという。AIがごく普通に生活のなかに使われるようになり、将来は火星に移住できるかもなどといっているのに、日常の生活必需品が買えない女性たちがいるのは大問題である。海外ではすでに無料配布をしている国もあり、日本でも自治体によっては無料配布をはじめたところもあるようだ。そのような場所に行きづらい学生に対しては、学校の保健室などで無料配布すればいい。そういうところに私が納めた税金を使われるのはかまわないし、そうしてあげて欲しい。不祥事を起こしたり、国会で居眠りをしたり本を読んだりスマホを見たりしている奴らに、私の大事な税金が支払われていると思うと、
「お前たち、税金を返せ」
 と怒鳴りつけたくなる。国会議員の平均年収は二千二百万円だそうで、これまで私がテレビやニュース、週刊誌などで見た範囲でも、国会の会議中に居眠り、読書、スマホを見ている税金泥棒が十人はいたので、無駄に支払っている税金はそれだけで二億円以上になる。そこここに議員の税金泥棒はいるはずなので、そんな人物はやめていただき、浮いた分を予算に上乗せすればよろしい。だいたい国会議員の人数が多すぎるし給料が高すぎる。払っている税金が、必要なところに使われていないのが大問題なのだ。

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群ようこ

むれ・ようこ●1954年東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業。広告会社などを経て、78年「本の雑誌社」入社。84年にエッセイ『午前零時の玄米パン』で作家としてデビューし、同年に専業作家となる。小説に『無印結婚物語』などの<無印>シリーズ、『散歩するネコ れんげ荘物語』『おたがいさま れんげ荘物語』などの<れんげ荘>シリーズ、『今日もお疲れさま パンとスープとネコ日和』などの<パンとスープとネコ日和>シリーズの他、『かもめ食堂』『また明日』、エッセイに『ゆるい生活』『欲と収納』『よれよれ肉体百科』『還暦着物日記』『この先には、何がある?』『じじばばのるつぼ』『きものが着たい』『たべる生活』『これで暮らす』『小福ときどき災難』、評伝に『贅沢貧乏のマリア』『妖精と妖怪のあいだ 評伝・平林たい子』など著書多数。

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