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レズ風俗で「推し」に出会った私に起こったこと

女性用風俗、略して「女風」。かつては「男娼」と呼ばれ、ひっそりと存在してきたサービスだが、近年は「レズ風俗」の進出など業態が多様化し、注目を集めている。
女性たちは何を求めて女風を利用し、そこから何を得たのか――
『ルポ 女性用風俗』の著書もあるノンフィクション作家の菅野久美子さんが、現代社会をサバイブする女性たちの心と体の本音に迫るルポ連載。
前回に続き、美月さん(39歳)がレズ風俗を利用した衝撃を語ります。

 美月さんは、レズ風俗で 「推し」のキャストと初めて会った時の感動を、うっとりした声音で話す。

「推しさんは、人類皆友達みたいな、すごくフレンドリーな人。最初会ったときからすごく安心感がありました。相手は女の子だし、女風よりも距離感が近いんです。話をたくさん振ってくれるし、友達としゃべる感じで話せる。あと私のことを『かわいいね』って、いっぱい褒めてくれるんですよ。それがすごく嬉しかったですね」

 その距離感は、スキンシップにも表れていた。ボディタッチが自然なので、何よりもスムーズにエッチな流れに向かうことができた。美月さんは、キスとハグをされ、全身を舐められて、指を入れられた。今までにない多幸感に包まれている自分がいた。

「推しさんは、良い意味ですごく自然に触ってきてくれるんです。腕を組んできたり、足を触ったり、スキンシップもすごく大切してくれる。ホテルでエッチなこともしたんですが、女の子の肌ってなんてふわふわで柔らかくて、気持ち良いんだろうって思いましたね。だから初めて会って別れた後、すぐにまた会いたいって思いました」

 それから月1回、美月さんはそのキャストを指名するサイクルが続いている。
 キャストとは、気分によってデートをしたり性感をしたりもする。ただ、美月さんが本当に好きなのは、エッチなことよりもデートで色々な場所に行って楽しい思い出を作ることだ。

「エッチなこともいいけど、断然デートの方が楽しいですね。一緒にお茶をしたり、おいしいものを食べたい。自分の好きな人と色々なところに行きたいんですよね。一緒にご飯を食べて、『これ美味しいね』とか、『あれ楽しいね、面白いね』っていうのが、好きなんです。レズ風俗は、友達以上恋人未満な感じがいいんですよ」

 なるほど、と思う。何でも話せる女子同士でキャッキャ言い合える距離感は友達に近いが、一方で、憧れの人でもある。その絶妙なバランスこそが、レズ風俗の魅力の一つなのかもしれない。では、女風とレズ風俗が決定的に違う点は、どんなところだろうか。そう尋ねると、美月さんは即答してくれた。

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菅野久美子

かんの・くみこ
ノンフィクション作家。1982年生まれ。
著書に『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)、『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)、『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(双葉社)、『ルポ 女性用風俗』(ちくま新書)などがある。また社会問題や女性の性、生きづらさに関する記事を各種web媒体で多数執筆している。

Twitter @ujimushipro

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