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菅野久美子 私たちは癒されたい ~「女風」に通う女たち~

私と同じ感動を味わって……女性用風俗ユーザーたちが積極的に交流する心理

SNSを通じて一気に広がった〝女風仲間〟たちとの絆

 女風を通じて様々な経験を重ねた由奈さんだが、この体験を誰かに話したいという欲望は、尽きなかった。
 ある日SNSを徘徊していると、女風ユーザーの女性たちがワイワイと体験談を語り盛り上がっている光景を目にする。「わっ、こんな世界があるんだ!」と嬉しくなった由奈さんはすぐに女風の専用アカウントを作った。そして念願だったユーザー同士の交流が始まったのである。

「SNSを通じて同年代の女風ユーザーの女の子たちと一気に繋がることができたんです。リアルの友達に、『私この前、縛られたんだ』とかは言えないじゃないですか。だけど女風ユーザーになら言えるんです。今ではSNSを通じて知り合った女風のユーザーとカフェでご飯を食べたり、女風バーに遊びに行ったりするんですよ」

 TwitterなどのSNS上では匿名での女風ユーザー同士が積極的にコミュケーションを取り合っている。リアルな友人関係では性的な話題はタブーだったりすることも多いが、SNSのような匿名の世界だからこそ話せることもあるというわけだ。そこでは自然発生的に女子会などリアルな女性同士の交流が生まれていたりもする。
 それこそ由奈さんが求めていたもので、ようやく女風について思う存分語れる相手と出会うことができたのだ。

「人によると思うんですけど、私は女性に『このセラピストさんは凄くよかったよ』って積極的に伝えたいタイプなんです。だから、担当セラピストを女風仲間の友達にお勧めすることもあります。『経験してみて。すごいよ。私と同じ感動をしてね』って思っちゃう。実際に推しのセラピストに入ってみて『すごくよかった』って言われると、『でしょ!』って、嬉しくなっちゃいますね。アイドルの推しに近いかな。あと私みたいにセックスには興味はあるけど、苦手意識がある人もいると思うから、そういう人たちは技術がある方をお勧めしたいし、私は良い体験ができたよって言いたいんです」

写真:PIXTA
写真:PIXTA
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菅野久美子

かんの・くみこ
ノンフィクション作家。1982年生まれ。
著書に『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)、『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)、『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(双葉社)、『ルポ 女性用風俗』(ちくま新書)などがある。また社会問題や女性の性、生きづらさに関する記事を各種web媒体で多数執筆している。

Twitter @ujimushipro

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