2023.2.8
文化人が集うゴールデン街「マチュカバー」のママにインタビューしたら、とんでもない人生の話が聞けた
98歳までお店に立つ
山 : 20代前半くらいにそういうことが重なったってことですね。
麻 : なんていうかな、私って生き物なんだなって実感させられることがいっぱいあって。だから、ほんと、とにかく、日々感謝かな。あぁ〜〜!支離滅裂になってきたなぁ。
山 : いやいや、いろいろな話が繋がりました。夢とか、自然とか、本能とか、感覚的なものから学ぶことが多いってことですよね。
麻 : 誤解されたくないのは私は霊感とかの話をしてるんではなくて。実際おばけとかを見たこともないし。新興宗教にもはまってないし。人間には五感ってあるやん。味、聴、嗅、視、触の「触覚」の話で、私はそれがちょっとだけ敏感なだけなんだと思う。だからかな、虫とかもメチャクチャ尊敬してて。もっと言うと、もし神様の様なものが在るとしたら虫とか植物とか動物とか4歳までの子供の中にいるんじゃないかと思う。ペットとかウチにも猫いるけど、「世話をしてあげてる」って言う言い方より「世話させてもらってる」っていう言い方の方がシックリくるし。子供ってマジですごい。4歳までの子供は特に詩人やし。大人になるにつれてそんな感覚を忘れてしまってるから、それを思い出すためにもまだまだ生き物から教わらなあかんなって。
山 : なるほど。
麻 : ごめんなさい、変な話ばかりで(笑)
山 : いえいえ。麻知子さんっぽくてよい話ですよ。触覚優位で物事を考えているからか、麻知子さんの話は聞いていて訴えかけてくるものが強く、だから麻知子さんに会いにマチュカバーに通ってしまうのかもしれません (笑) ではそろそろ時間もあれなので、最後に、これからこういうお店にしていきたいとかありますか? 改めて、いま考えることとして。
麻 : う~~~~~~~~~~~~~~~ん。このままでいいかな。うん。このままでいいなぁ。あんまりなんか、こうなりたいとかないかな。
山 : 今のまま楽しく働けたら。
麻 : うん。で、98歳くらいまでお店に立てたらいいな、って。
山 : 98歳ですか? まだまだ先ですね。あと40年以上。
麻 : そやねん。
山 : 僕も70歳を越えてます。
麻 : うん。面白いでしょ。予定では、うちのお客さんをだいたい見送ってから (笑)
山 : 僕も見送られるかもしれません(笑)
麻 : なんか、それくらいしかないかなぁ。あんまり、ないなぁ。
山 : なんで98なんですか?
麻 : ふふっ、それも夢でみた。たかが夢だけど (笑)
麻・山 : ははははは(笑)
麻 : 私が死ぬ瞬間の夢を見たんよ。
山 : へぇ~。
麻 : 夢の中の、あの顔の感じだったら、大体それくらいの年齢に見えるってだけの話で。病院で、先生と看護師さんだけがいて。で、私は上から見てるんだけど、私の意志で誰も呼んでほしくないって話をしていて、誰もいてなかった。病院の先生と看護師さんだけで。で、静かにね、死んでいってたの私。先生に「ご臨終です」って言われて。あ〜私すごいこんな死に方いいなぁって、見ててホッとしてた。その顔が大体98くらいだったから。それくらいまで生きよって思っただけの話 (笑)
山 : でも98歳までお店やってたら、最後たくさんの人が駆けつけそうですけどね。
麻 : お葬式にはいろんな人が来てくれるかもしれないけど。でも、その死ぬ瞬間は誰もいてなかった。ホンマに、それでいいねん。
次回連載第7回は4月公開予定です。※3月の公開はありません
【店舗情報】
マチュカバー
チャージ1000円で一品付き。21時から28時まで、麻知子さんは水・木・金出勤、他の曜日はスタッフが出ています。定休日は不定期なのでTwitterをご確認ください。
@macskabar