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藤原綾「女フリーランス・バツイチ・子なし 42歳からのシングル移住」

仕事、生活費、災害対策……移住の前に考えなければならないこと ——経済アナリスト・森永卓郎さんに聞く

縁が縁を呼ぶ場所なら、もしかして何とかなるかも?

 森永さんの話は、私の背中を押してくれた気がします。自分が若いとはとても思えませんが、日本人の平均年齢は48歳。自分はまだ若いと思い込んで、思いきってやってもいいのかもしれません。というより、年齢を考えたら今しかないのかも?
東京を離れるという選択は間違ってはいない。話を聞く限り、確かにトカイナカの方がメリットは大きそうですが、もう私の心には鹿児島が住み着いています。硫黄泉、星空、ガブガブ飲める水道水。霧島は湧き水も豊富な土地です。

 今、私には東京の仕事しかありません。コロナ禍にあって、仕事で外出するのは週に1、2回という状況。LCCを使えば、今のところ東京―鹿児島間の往復で1万5千円くらい。例えば、月の1週間だけ東京に来ることはできそうな気がしてきました。
 目黒のマンションを離れたとしても、その間、有り難いことに兄の家に滞在することができるので宿泊費はかかりません。
 トカイナカではない田舎に住むのであれば、住宅コストは劇的に安いけど、生活コストはあまり変わらない。だったら、コストを下げるためにも畑がついている物件が必要です。もちろん、災害に強い地域であることも。
 仕事がなくなったら、田舎だと農業か自分で会社を立ち上げるしかない。私ひとりだということを考えると、当然後者になってくるわけですが、住んだこともないので何をすればいいのかはわかりません。でも、これは恐らく実際に住んでみないとわからないこと。
 失敗した人の話はやはり引っかかりますが、そんなことを言って都会に住み続けていても、先は見えています。それこそ、地震や洪水が起きればひとたまりもありません。

 まだ物件は見つからないものの、私が鹿児島への移住を考えていると友人に話したところ、なんと共通の仕事仲間が霧島市の隣の姶良市に家族で移住していたことがわかりました。しかも、東京でファッションの仕事をバリバリやっているフォトグラファーです。
 早速、連絡をして状況を聞いてみると、羽田の近くにアトリエを借りていて、月に5往復することもあるそう。
「やってみたら意外とできるもんだよ」。
 いや、そもそも収入が違うんすよ。と思いつつ、身近に知り合いがいることを心強く思いました。そして、フォトグラファーがいるなら、リモートでできるライターの仕事だけではなく、新たな編集の仕事もできるかも? なんだか縁が縁を呼んでいるような気がして、やっぱり私の移住先は鹿児島しかあり得ないと思えました。

 そして、それから程なくして、物件サイトから条件に合う霧島市の物件情報が送られてきました。四角いサザエさんの家、果樹園付き、広い庭、そして平坦地。全ての条件が揃っています。調べると、この物件を扱っているのは、お隣の姶良市にある地元の小さな不動産会社でした。
 森永さんの話を参考に、ハザードマップや南海トラフの震度分布を確認してみましたが、そこまで大きな問題はなさそうです。
 ただ、写真の点数があまりにも少なく、全貌がよくわかりません。前回の件もあるので、過度な期待はせず、とりあえず問い合わせをしてみることにしました。

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森永卓郎

1957年生まれ。東京都出身。東京大学経済学部経済学科卒業後、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局、三和総合研究所(現 三菱UFJリサーチ&コンサルティング)主席研究員等を経て、現在は獨協大学経済学部教授を務める。経済アナリストとして各種メディアで活躍するほか、バラエティ番組などにも登場し、お茶の間でも人気を博している。格差社会の弊害をいち早く指摘し、ワーキングプアの問題にも早くから警鐘を鳴らして注目を集めた。近著に、『森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ: 都会を飛びだし、「自産自消」で豊かに暮らす』、『相続地獄~残った家族が困らない終活入門~』などがある。

藤原綾

1978年東京生まれ。編集者・ライター。早稲田大学政治経済学部卒業後、某大手生命保険会社に就職するも、大企業の闇に触れて逃げるように宝島社に転職。ファッション誌の編集を経て2007年に独立し、ファッション、美容、ライフスタイル、アウトドア、文芸、ノンフィクション、写真集、機関紙……と、節操なく仕事を受けてきた結果、幅広い業界で編集・執筆活動を行うことに。近年もブランドムック『ANNA SUI COLLECTION BOOK』、雑誌『小学一年生』、漫画『ごろごろにゃんすけ』(村里つむぎ)、書籍『つくるひとびと』(秋山竜次/ロバート)、小説『海の怪』(鈴木光司)、カタログ『LAZY SUSAN』など、極端なノンジャンルで活動中。

インスタグラム @id_aya

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