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日本酒美容法で体の芯からポッカポカ! 幾夜も酒に溺れ、人生を狂わされた男がようやくたどり着いた“お酒とのおいしい付き合い方”

 善は急げということで、さっそく日本酒を用いた化粧品を物色したところ、手ごろな価格で揃えられるものに、かの有名な「菊正宗」シリーズがあった。「菊正宗」といえば、創業360年を超える菊正宗酒造が作る日本酒の王道中の王道の一品である。
 美容の道は決して外道から入ってはいけない。何をするにしても王道から入るのが美容の極意。王道を知らずして道をうまく踏み外せると思うことなかれ。
 近所のドラッグストアにて、菊正宗の化粧水(透明保湿)と菊正宗の入浴剤を数種購入。併せて酒粕パックに酒粕シートマスク、そしてスーパーで売っている酒粕までを大人買い。
 しかし改めて思うが「菊正宗」って本当に格好良い単語だな。声に出して言いたい日本語シリーズにぜひ「菊正宗」も加えていただきたい。

購入した日本酒の化粧品たち
購入した日本酒の化粧品たち
酒粕パックと酒粕
酒粕パックと酒粕

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 まずは何よりお風呂に入って体をきれいにしましょうと入浴剤から開封。これが実に日本酒そのものといった香りで思わず腰を抜かしそうになる。開封した途端に鼻にツンとくる香り。もしかしてただの日本酒なんじゃねえのかと疑うレベルである。袋に「本品は飲めません」との注意書きが書いていなければ、私はおそらく試しに飲んでいたと思う。注意書きって大事ですね。
 浴室いっぱいに広がった日本酒のかぐわしい香りを胸いっぱいに吸い込み「ぷい~!」と日本酒をクイっとやるときと同じ声を出してしまう。
 調べてみると、日本酒(清酒じゃないとダメらしい)をそのまま湯船の中に入れる「酒風呂」を楽しんでいる人も多いそうだ。日本酒に含まれる成分により保湿効果がグンと高まり、それと同時に血行促進作用により冷え性の改善にもつながるのだという。

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新刊紹介

爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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