よみタイ

MEGUMIに人生を救われたおじさんが『キレイはこれでつくれます』を読んで考えたこと

 本の中にはMEGUMIの近影も多数掲載されており、これがまた年齢を感じさせない美しさである。「気品」よりも「自信」に溢れた笑顔がとにかく眩しい。「美容」とは美しくなることも大事だが、それよりも大切なことは、「自分に自信を取り戻すこと」「安心すること」だと私は思う。ブクブクと太った醜い姿を他人の目に晒されることに怯え、深夜のコンビニやドンキ、ブックオフ、松屋、寂れたパチンコ屋にしか自分の存在意義を見出せなかった私が、今では「無印良品」やちょっとおしゃれな家具屋さんにも足を運べるようになった。
 店員さんに自分の顔をマジマジと見られるあの独特の距離感が大嫌いだったメガネ屋さんだってもう怖くない。「高価な服」よりも「確かな自信」を身にまとって私は今日も街を歩いている。

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 MEGUMIがグラビアタレントとして一世を風靡していた頃、私は多感な学生時代を過ごしていた。そのワイルドな肉体美とどこか垢抜けない田舎臭さを残したキュートさ、それでいて声は意外とハスキーボイスという彼女の魅力に私はメロメロだった。
 あれから時を経て、素敵な母親、大人の女性に成長したMEGUMIが書いた美容本を参考に、私は日々の美容に励んでいる。巡り合わせって本当に面白いもので、私の人生はいつだってMEGUMIと共にある。MEGUMIって何なんだ。人生っていったい何なんだ。
 昔のMEGUMIは最高だった。もちろん今のMEGUMIも最高だ。そして未来のMEGUMIはもっと最高に違いない。

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爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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