2023.5.14
メンズ眉毛サロンへ潜入せよ! 眉毛ケアを通じて、おじさんは初めて人の心を知る
生まれて初めて「ホットペッパービューティ」にアクセス。私は今、最高のエロ動画より最高の眉毛サロンを知りたい。
あれこれ検索をしてみるものの、ラグジュアリーな内装の高級サロンばかりがヒットする。うん、おじさんにはちょっと敷居が高いな。吉野家、ブックオフ、ミスターミニット、1000円カットのQBハウスのように気軽に入りやすい雰囲気のお店はないものか。
ぶつぶつ文句を言いながら、小一時間ほど探し続けた結果、ようやく私のお眼鏡にかなうサロンを発見。JRの駅の改札を抜けたところにあるこぢんまりとした造りのお店である。
ネットの情報を鵜呑みにするのは危険なので、事前に偵察にも伺う。店の前を何度も横切り、雰囲気と客層を確認。EXILEのようなイケイケのあんちゃんもいなければ、ウェス・アンダーソンの映画に出てきそうな小洒落たキザったらしい男もいない。よし、ここなら大丈夫と、安心して予約を入れた。
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一週間後、いよいよ私の眉毛が生まれ変わる日がやってきた。ちょっとしたドッキリのつもりで、同棲中のパートナーには、この件に関しては内緒にしてある。
髭を綺麗に剃り、シャワーも浴びて準備万端。下見を済ませておいたおかげで、雰囲気に飲まれることなく平常心で入店できた。店内に流れる耳当たりの良いボサノヴァミュージックが、こちらの緊張をいくらか和らげてくれる。そういえばボサノヴァで有名な小野リサって、今は何をしているんだろうか。小野リサってどんな顔してたっけ、何となく綺麗な眉毛をしていたような記憶はある。そんなどうでもいいことを考えながら施術開始を今か今かと待つ。
担当の店員さんは、私と同年代ぐらいの気さくな中年女性だった。
「男の人だって眉毛ば、ちゃんとせんといかん時代がきてますからね、ええ、ええ」という九州訛りが強い彼女の喋り方を聴いた瞬間、私は心の中でガッツポーズ。生まれて初めての恋人も、そして初体験の相手もどちらも九州出身の女だった私にとって、初めての相手が九州の女というのは非常に縁起が良いのである。
施術時間は約二十分。わずかな時間の中でカウンセリング、カット、ワックス脱毛までおこなって3500円という値段設定だ。これがリーズナブルなのかどうなのか私にはわからない。
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