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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

保守王国で半世紀ぶりの分裂選挙! 10月25日投開票の富山県知事選に行ってきた

自民党員の割合が全国一の保守王国で分裂選挙

 前回も紹介したとおり、富山県は有権者に占める自民党員の割合が全国一高い。定数40人の県議会に占める自民党議員は34人で、その割合は85%。衆議院議員選挙では県内3つの議席を自民党が独占し、前回選挙では他党候補の比例復活も許していない。参議院も富山選挙区の2議席を自民党が独占する文字通りの「保守王国」だ。
 その富山県知事選挙には次の3人が立候補している(届出順)。それぞれの候補者の情報が手に入るサイトと、富山県選挙管理委員会の特設サイトへのリンクも貼っておくので各自でチェックしてみてほしい。

新田はちろう(62歳) 無所属 会社役員 新人

かわぶち映子(71歳) 無所属 会社員 新人

石井たかかず(74歳) 無所属 富山県知事 現職

富山県知事選挙2020特設サイト

 ここで前回の富山県知事選(2016年)の投票率を紹介したい。なんと、「35.34%」で過去最低だ。ちなみに過去最高は昭和27年(1957年)の「83.48%」。直近11回の選挙はすべて候補者が「2人」しか出ておらず、長らく「無風」の状態が続いていた。
 今回は、保守系の新人・新田はちろう候補と現職で5期目をめざす石井たかかず候補が自民党富山県連に推薦を願い出たが、自民党富山県連は現職・石井候補の推薦を決めた。石井候補は公明党本部、国民民主県連の推薦も受けている。
 一方の新田氏は、実姉が元北海道知事で現在は参議院議員を務める高橋はるみ氏(自民党)。新田氏は富山市長・森雅志氏の後援会長を務めていたことから、森市長も全面に出て新田氏を支援する。
 そこに戦いを挑むのが、NPOの代表で71年ぶりの女性候補・かわぶち映子氏。
 かわぶち氏は県内野党に共闘を呼びかけてきた「オールとやま市民連合」の共同代表も務めた人物だ。事務所をたずねると、かわぶち氏を支える「いのちを支え合う県民の会」世話人代表の土井由三氏が対応してくれた。
 かわぶち陣営は市民団体が中心で選対を回しており、議員や支持者は個人の資格で応援する形だと説明を受けた。
 先月、国政の場では野党が合流し、新しい立憲民主党ができた。しかし、富山で話を聞くと、立憲民主党が県知事選に関われていないことがよくわかる。なぜなら県議会にも、富山市議会にも一人も議員がいないからだ。
 つまり、富山に拠点ができていない。だから別の地域から見ていると「野党は何をやっているのか」と思うことになる。

新人の新田はちろう候補。実姉は元北海道知事で、現在、参議院議員の高橋はるみ氏だ。(撮影/畠山理仁)
新人の新田はちろう候補。実姉は元北海道知事で、現在、参議院議員の高橋はるみ氏だ。(撮影/畠山理仁)
なんと71年ぶりとなる女性候補、かわぶち映子氏。(撮影/畠山理仁)
なんと71年ぶりとなる女性候補、かわぶち映子氏。(撮影/畠山理仁)
自民党富山県連の推薦を受けた、現職で5期目をめざす石井たかかず候補。(撮影/畠山理仁)
自民党富山県連の推薦を受けた、現職で5期目をめざす石井たかかず候補。(撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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