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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

ゲリラ街宣にはゲリラ取材。演説場所を教えてくれない、れいわ新選組・山本太郎代表を探せ!

ゲリラ街宣にはゲリラ取材

 わかった。そういうことか。それなら自力で街宣場所を探し出すしかない。

 東京の地図を開いて次の場所を予想した。7月31日には北区で山本太郎がポスター貼りをしていたという情報があった。8月24日が西新井駅、25日が金町駅。つまり、東京23区の外周を時計回りに回るのではないか。
 25日に直接話を聞いた時、山本は次のゲリラ街宣の場所を教えてくれなかった。しかし、今後の予定を次のように話していた。

「そんなに大きくない駅、中規模というか中小規模のところを狙いながらやっている。乗降客でもそんなにとびきり大型のところではやらないところで選択しました」

 それなら、ということで、26日は京成高砂駅、京成立石駅、京成小岩駅、江戸川駅、小岩駅、新小岩駅、瑞江駅、と、葛飾区、江戸川区内の駅を駆け回り、街頭演説の準備をしている人がいないかを探して回った。
 しかし、すべて空振りで、それらしい動きは見つけられなかった。党の関係者も教えてくれない。支持者に聞いてもわからない。SNS上で調べても、山本太郎がゲリラ街宣をしているという情報は見つけられなかった。
 翌27日は別の仕事があったため、探索は断念した。すると、SNS上で「亀戸駅で山本太郎がゲリラ街宣をしている」という情報を見つけた。亀戸駅があるのは江東区だ。これが次の探索への大きなヒントになった。

 私はこれらの情報を総合して、次のゲリラ街宣は江戸川区で行われる可能性が高いと予想した。東京23区東部で江戸川区を飛ばすとは考えにくいからだ。
 山本太郎代表はゲリラ街宣の場所を支持者にも明らかにせず、新たな人との出会いを求めているようだった。それならば、これまでと同じ鉄道会社の路線は避けるのではないか。
 そう考えると、江戸川区を走る路線で可能性が高いのは、南寄りの都営新宿線か東京メトロ東西線ということになる。

 8月28日、私は安倍晋三首相の記者会見に参加することになっていた。そのため首相官邸から最短距離にある江戸川区内の駅・都営新宿線船堀駅に狙いを定めた。誰もいなかったら、一之江駅、瑞江駅、篠崎駅に行く。そこにもいなければ、東京メトロの葛西駅、JRの葛西臨海公園駅に行くつもりだった。
 そう決めたのとほぼ時を同じくして、私の予想を補強する有力情報がもたらされた。内容は明かせないが、私は「会える」と確信した。
 安倍首相の記者会見では、私は残念ながら質問者として指名されなかった。しかし、私が船堀駅周辺に到着すると、そこには山本太郎代表がゲリラ街宣を行うためのステージが設置されていた。

28日、船堀駅で山本太郎代表をキャッチ。ゲリラ取材は成功。(撮影/畠山理仁)
28日、船堀駅で山本太郎代表をキャッチ。ゲリラ取材は成功。(撮影/畠山理仁)

 当たった!

 私がゲリラ街宣の場所を見つけられたのは、このような経緯である。党関係者からは一切知らされていない。悲しいことに、これまで何度も「こっそり私だけに教えてくれ」と頼んでも、誰も応じてくれなかったのだ。
 私が山本太郎のゲリラ街宣を記録できたことをもって、「畠山は特別に教えてもらっている御用記者」などと言わないでほしい。それなりに努力して場所を見つけているのだ。
 私はいろいろな情報を入手して、みなさんに伝えたいと思っている。とくに、「ゲリラ」や「ステルス」などと言われて動きが見えないと、「絶対に見つけ出す」と燃える。
 それは有権者のみなさんに、「知らなかった」「どうして教えてくれなかったのか」と投票をした後に後悔してほしくないからだ。大事な一票の行き先は、情報を集めて吟味した上で、自分で決めたほうがいい。
 みなさんもぜひ、楽しみながら政治家の情報を集めてもらいたい。もちろん、その情報を私に教えてくれるのは大歓迎である。

(文中敬称略)

ゲリラ街宣の場所を推理してつきとめた8月28日のぶら下がり取材の様子はこちらから。(動画撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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