2019.12.9
『日本列島全員立候補』か『日本列島全部無投票』か。どちらの未来を望むのか?
被選挙権を行使する割合は、約25万分の1
日本では、18歳以上の日本国籍を有する人は等しく選挙権を持っている。一方、選挙に立候補する権利(被選挙権)は、選挙の種類によって異なっている。
市区町村議会議員、市区町村長、都道府県議会議員、衆議院議員は「25歳以上」。都道府県知事や参議院議員は「30歳以上」。
日本国籍を持ち、一定の年齢に達すれば誰もが手に入れる「被選挙権」は、「選挙権」と同様に誰からも侵されることのない大切な権利だ。
だからこそ思う。みんな、もっと選挙に出るべきだ。
こんなことを言い出す私を「頭おかC」と思う人も多いだろう。わかっている。あなたは間違ってはいない。大正解だ。
でも、私はこんな頭で20年以上も選挙現場の取材を続けている。なんとかなっている。早いところ、みなさんが考える「常識」で、私を選挙の現場から退場させてほしい。それくらい、今の日本の選挙人口は少ない。
今、日本では圧倒的多数の人が選挙に出る権利を持っている。しかし、その権利を行使する人は極めて少ない。
たとえば、2017年の衆議院議員総選挙(定数465)に立候補した人の数は1180人だった。このときの有権者数は約9千697万人。このうち、18歳以上〜25歳未満の人口は約840万人だから、被選挙権を持つ人は8千857万人いた計算になる。これを立候補した人の数で割ると、実際に被選挙権を行使した人は、約7万5000人に一人しかいない。
同じように2019年7月の参議院議員選挙(立候補者370人。被選挙権は満30歳以上)で計算すると、約25万人に一人しか立候補していなかった。
立候補自体が大変なことだとよくわかる数字だ。そして、選挙に行かなかった人たちの理由の一つが「投票したいと思う人がいなかった」というのもうなずけるだろう。
でも、もし、そうであるならば、参加人数を増やして、「自分に考えの近い人」が選挙に出てくれる社会にするしかない。立候補する人が誰もいなければ、代議制民主主義は成り立たないからだ。
ここで衝撃的な数字を紹介したい。