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田村麻美「ブスとお金」
タイトルのインパクト、著者の顔写真がカバー、そしてその画期的な内容で話題の初書籍『ブスのマーケティング戦略』は、ロングセラー街道を驀進中。「東京都足立区で一番気さくな(自称)」税理士、お金の専門家の田村氏が伝える女子たちへの経済指南。仕事をしてお金を得るということ、それで、人生の舵を自分自身で取るために、今からできることとは。ブスでも、ブスではない人も、その中間の人も必読! 幸せに生きるためのヒント満載のエッセイ。

家事育児。「感謝」で心は満たされても、お腹は膨らまない

ブスとお金 第2回

 私には、夫と5歳の娘がいる。
 娘のおかげで、お腹がだんだん膨れていくという十月十日を経験した。妊娠糖尿病にもなり、入院とまではいかなかったが切迫早産と診断されるなど、妊娠中のマイナートラブルもそれなりにあった。出産したらしたで、乳首をぐりぐりマッサージされても、母乳は出ないし、やっと寝たと思ったら目を開けている娘がいて、本気でホラーを感じたこともあったし、それでも、自分の腹はすくからご飯は作らねばならないしと、ああ、やることが一気に増えたなあと愕然としたまま今に至る。
 ブスとしての大きな「目標」の一つであった結婚・出産を叶え達成感に満たされる一方、「こんなはずではなかった」という初体験の大波小波にさらされっぱなしだ。

子煩悩の夫は産休育休をとろうとしたが、やめるように説き伏せた

 当たり前だが、夫婦二人で暮らしていた時より、出産してからの方がやることが増えた。洗濯ものの量にしてもそう、料理の量にしてもそう。掃除だってさすがに乳幼児がいればこれまでよりは気を遣う。
 しかも、子供は自分でできないことが多いから、食事、お風呂、トイレなど、夫か私がフォローしなければならない。育児書やネットでいくら事前に勉強していたとはいえ、現実は想像以上に大変であることにびっくりしたものだ。生後8カ月で保育園に入園できた時は、心底ホッとしたことを思い出す。
「これで、働くことが少しずつ楽になる」と。

 出産時、夫は会社員だったが私は税理士という自営業という状態だったので、私には産休育休といった概念はなかった。
 休めば収入がなくなる。そんな状態での妊娠出産であった。
 夫の会社には産休育休の制度があるので、取得しようと思えばできるのだが、私が取らせなかった。子煩悩の夫は産休育休をとろうとしたが、やめるように説き伏せた。
 なぜなら、某大手企業で育休を取得した男性が、復帰後に左遷されるというニュースを聞いて、そうなる可能性が高いだろうと思ったし(夫の会社様、偏見がすごくてすみません。でも、他人様が作られた会社にお勤めさせていただいている以上、ルールが変わることもあるだろうと思ったんだもの)、たとえそうならなかったとしても、しばらく仕事から離れていれば、現場感覚を取り戻し社会復帰するのも大変であろうと考えたからだ。

子供が大きくなるまで、仕事は辞めてもいいんじゃない?

 そのため、保育園に入園できるまでの8か月は、私がわりと育児はがんばった。子連れで事務所に出勤したり、実家の母親に手伝ってもらったり、子供を寝かしつけてから死ぬほど仕事をしたり……どうにかして出産前のペースを維持しようと必死であった。
 そんな私を見た母親には言われた。「子供が大きくなるまで、仕事は辞めてもいいんじゃない?」と。

 共働き家庭がだいぶ増えてきた今でさえ、日本では、結婚、出産を理由に仕事を辞め、専業主婦になる方がたくさんいる。正社員でしっかり勤務してきた女性が意外とすぱっと辞めたりする。親と同居、もしくはベビーシッター代を払える高収入世帯でもない限り、この働き方のまま、育児は難しい、しんどいと想像した結果の決断の方も多いのだろう。

 その通りである。
 仕事をするだけでも大変なのに、そこへ、育児がプラスされたらさらに大変なことは間違いなしなのである。育児というものは、仕事以上に予期せぬハプニングだらけである。アンダーコントロール圏外だ。
 現にこの原稿を書いている今、我が子は、はやり目(流行性角結膜炎)というものになってしまい、完治するまで保育園に登園できない。長ければ1カ月は登園できないという笑えない状況である。この期間、私がはずせない仕事を抱えている日は夫が有給を消化し、私が昼間に子供と過ごした時は、帰宅した夫に子供を任せ深夜までたまった仕事にとりかかり、後は実家に疎開させるというスケジュールでどうにか乗り切ろうとしている。乗り切れるかはわからないが、乗り切るしかないのだ。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(2018年12月刊/文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
http://tamuramami.com/

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