よみタイ

デジタル武装していれば、デュアルライフでも仕事は身軽に楽々と!

ほとんどすべてをクラウド管理しているので、山の家に仕事道具は持っていかない

山中湖に行くとき、僕は基本的に仕事道具を何も持っていきません。
山の家には、メイン機としての役目を終えた旧型のMacBookが一台置いてあります。
現在のメイン機である東京の自宅のMacBookとiCloudで同期しているので、開いて起動すれば、やりかけの作業にすぐ取りかかることができるのです。
僕は仕事の打ち合わせのメモもiPadにApple Pencilで書き込み、PDFで保管するようにしています。
やむなく手書きで残したメモもスキャンしてPDFにする習慣だし、その他の資料類も可能な限りデジタルデータにしています。

だからやらなければならない仕事があっても、山の家には数冊の資料本以外、持っていく必要がないのです。
机を置いている部屋の窓からは、遠くにキラキラと輝く山中湖の湖面が見え、さらに遠くの方には南アルプスの峰々を望むことができます。
静かな山の家は、快適な東京の自室よりもさらに心地よく、仕事が捗ります。

四季の変化も感じられる山の家のシンプルなワークスペース。
四季の変化も感じられる山の家のシンプルなワークスペース。

とはいえ基本的に平日は東京で生活しているので、山の家ではあまり仕事をしたことがありませんでした。
2回ほど「自主缶詰」と称して、激ヤバ締め切りが迫った仕事をしにきたくらい。
でも今年は、コロナファーストインパクトで緊急事態宣言が出ていた3月から5月にかけ、山中湖の家に長逗留ながとうりゅうして、すべての仕事をこちらでこなしました。
それはある意味、これからの自分の仕事生活を占う実験となりましたが、結果、東京にいるのと同等以上に、充実した仕事をできることが判明しました。

今の仕事を続ける限り、僕には定年というものがないと思っています。
机に向かって原稿を書く仕事は、70歳になろうが80歳になろうができます。そもそも趣味の延長のようなものですから、引退したくなるわけもありません。
人から依頼されなくなったとしても、今は書いたものを自主的に発表し、いくばくかの収入を得られる仕組みもあるので、本当に終わりはないと思うのです。

山中湖の家が終のすみかになるかどうかはわかりませんが、こういう環境の中で静かに原稿を書くという老後は、まったく悪くないものだと思うようになっています。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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