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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

「風俗業界にも労働組合を作りたい」社会派風俗嬢の強い願い

風俗で働くことに対しての彼氏の反応

 意識の高い風俗嬢であるカナコさんに気圧されながらも、彼女が風俗で働いていることを、これまでの彼氏はどう思っているのか聞いてみた。

「今、付き合っている彼がいて同棲中ですが、私が風俗で働いていることに関しては特に何も言ってきません。でも、『今日こんなお客さんが来たよ』みたいな話は嫌みたいなので具体的な仕事の話はしないようにしています。それに、彼も発達障害で精神障害者保健福祉手帳の取得の手続き中なんです。彼は私と特性が違って、片付けられない私に対して彼はすごく神経質なんです。ソファの位置が少しでも曲がっていたら許せない、みたいな。その点では相性は悪いなと思うのですが、お互い怒らないようにしようとかルールを作って成長していこうと思っています」

 これは私の肌感覚だが、発達障害同士は惹かれやすい部分があると感じている。今まで何組かの発達障害同士のカップルに出会ってきた。しかし、ほとんどのカップルがお互い真逆の特性を持っている人ばかりで、うまくいっているカップルはそこをお互い補い合っていたことが特徴的だった。
これまで取材した女性たちの多くが恋愛依存に陥りやすい傾向を持っていたが、カナコさんからはそのような雰囲気は感じ取れなかった。

「恋愛的な面での依存というより、お客さんに依存していると思います。もっと言うとお客さんの後ろにあるお金、私の成績表ですね。男性から求められれば求められるほど、私の評価が上がっていくと思っていて。そういう面では男性に依存しているなと思います。昔は好きな人に依存したこともありましたが、精神科の看護師の元カレと付き合ってからはないですね。異性よりも自分のことを好きになりたい気持ちのほうが強くなってきて。美に対する依存みたいなのがあって、可愛いメイクをしたいし整形も顔のほとんど全部やりました」

 カナコさんが風俗嬢をしている理由は経済的な面と当日欠勤ができることが大きいが、お金のためだけならば水商売でも稼げる人はいる。なぜ水商売ではなく風俗を選んだのだろうか。

「最初は水商売をしようと思っていました。でも男性と一対一になる風俗と違って水商売は他にも近くに女の子やお客さんが複数人いる状態です。男性と一対一ならばその場を私が支配できてうまくペースに乗せられるのですが、他にも人がいるとなると私、一気にコミュ障になっちゃうんです。だから向いてないなと。あと、水商売ってお客さんとこまめに連絡を取らないといけないじゃないですか。それも私はできないので」

 ADHDの人の中には先送り癖がある人もいる。お客さんにお店に来てもらうためには日々の連絡の積み重ねが重要となってくる部分があるので、几帳面でマメな人の方が有利ではあるだろう。以前取材したミサさんもキャバクラで働いていたが、彼女の時代はまだLINEなどの営業行為がそこまで必要ではなかったのかもしれない。

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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