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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

障害年金300万円が消えた……発達障害女子がハマったホストという沼

ホスト通いを卒業後はネトゲ廃人に

 しかし、ホス狂いから卒業するのは簡単なことではなかった。担当を切ることに未練があって号泣した。その上担当はエースであるルイさんを失いたくないがため、別れ話は修羅場となった。LINEをブロックして着信拒否もして「これで店に来るのは最後にするから、もしどうしても何かあったらここに連絡して」と実家の連絡先を書いた紙を渡したが、「そんなことさせない」と言われ目の前でビリビリに破られた。

「そのとき、担当の誕生日が近かったんです。だから、バースデーイベントでお金を使ってほしかったんでしょうね。バースデーでシャンパンタワーをしてくれないかと言われていたので。シャンパンタワーは一基300万円くらいするので、貯金が尽きそうな私には到底払えません。結局無理やり担当を切って、バースデーも行きませんでした」

 ホスト通いをやめたルイさんは喪失感に襲われ、仕事もやめてしまった。そして、家に引きこもりひたすらオンラインゲームをして過ごすようになってしまった。
 一日中パソコンの前にいて、パソコンの前でご飯を食べ、パソコンの前で寝落ちをして、パソコンの前で起床する。オンラインゲームは課金をしなくてもある程度は楽しめるが、ホスト通いで金銭感覚が狂ってしまい、毎月オンラインゲームに万単位で課金していた。そんな「ネトゲ廃人」状態だったルイさんはある日、オンラインゲーム上で気の合う男性と出会った。毎日のようにSkypeで話し、知れば知るほど、趣味や好きなものが何から何まで同じだった。
 出会って2週間で付き合い始め、さらにお互いの顔も知らないまま、衝動的に彼が住んでいる関東の家を訪ね、そのまま転がりこんだ。それまでは顔がタイプだったから、という理由でホストに入れ込んでいたルイさんだが、ここまで趣味や価値観が合うのなら顔なんて関係ないと思ったという。結局、最初の訪問で10日間ほど彼の家に居候した後、福岡に戻り引っ越しの準備をして再び彼の家に行き、正式に同棲を始めた。  
 ホスト狂い卒業からのネトゲ廃人、そしてネトゲで出会った彼との同棲。あまりのフットワークの軽さ、人生の展開の早さに、聞いている私は絶句してしまった。
 しかし、衝動的な行動が必ずしもうまくいかない結果を招くとは限らない。目の前のルイさんは、落ち着いた様子で結婚生活について話しはじめた。

<後編へ続く>

行き当たりばったりで始まった結婚生活が、ルイさんにもたらした効能とは……?
後編は12月4日(土)公開予定です。

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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