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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

障害年金300万円が消えた……発達障害女子がハマったホストという沼

色恋営業に本気になっていた

 ルイさんの月の手取りは障害年金を入れると18万円ほどだ。通常ならホストに通ったりするような余裕はない給与だろう。しかし、ルイさんは貯金していた障害年金を切り崩し、そこからホストに通うお金を捻出していた。使う金額は日によって違い、3万円しか使わない日もあれば10万円使う日もあったり、店のグループのお偉いさんが来ているときは担当の見栄のために30〜40万円のシャンパンや飾りボトル(※数十万円するがテーブルに飾るだけで飲まない、自分にはこれだけお金を落としてくれる客がいるとアピールできるボトル)を下ろす日もあった。しかし、その店には4人しかホストがいなかったので、ルイさんが担当のエース(※一番お金を使う客)になったことで、その担当はNo.1になることができた。

「私、自己肯定感が低いので担当から『お前がいるから助かっている』『お前がいないとダメだ』と言われるたびに喜んでいました。それと、色恋営業(※疑似恋愛)だったので、『お前は俺の彼女だからな〜』と呼ばれていることも幸せで。5〜6万のクロムハーツのアクセサリーをプレゼントしたこともあったし、『今度ホスト雑誌に載る時に着たいからこのスーツ買って』と言われたときは12万円もするスーツを平気で買ってあげていました。あと、今思うとただの手抜き営業なのですが、担当が卓被り(※同じ時間帯に別の客の指名が入ること)した際、私の卓では寝ていて、それを起こして別の卓に送り届けるのも、私に心を許している証拠なのだと思っていました。それに、店以外でもプライベートで一緒に大晦日を過ごしたこともあったので、色恋営業じゃなくて本当の恋愛だと思っていました」

 担当に「今日来て」と言われれば店に行き、気づくと次第に貯金は底をつき始めた。それまでは週1〜2回行っていたところを給料日と障害年金が入る日しか行けなくなった。そこでルイさんは、ホストへ行くお金を確保するために風俗店で働く決意をし、キャバ嬢をしている長年の友人に相談した。

「キャバクラだとお客さんと言葉でコミュニケーションを取らないといけないので働ける自信がなくて、私でも働けそうな風俗店を友人に探してもらいました。その友人はいくつか候補の店を挙げてきてくれたのですが『ここで働くならもう、あんたとの仲は終わりだね』と言ってきたんです。その友人は私にとって大切な存在だったので、そのとき、私はなんてことをしようとしているんだと目が覚めました。溶かしてしまった障害年金300万円は大きな勉強代になりました」

イラスト:にくまん子
イラスト:にくまん子
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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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