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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

どうしても不倫をしてしまう……衝動性を抑えられない彼女が選んだ生き方とは

ポリアモリーなら嘘をつかなくてもいい

「28歳の頃、ポリアモリーとして生きていくことにしたら、とても生きやすくなりました。なんたって、パートナーに嘘をつかなくてもいいんですから。私、嘘をつくことが苦手なんです。嘘をつくのは面倒くさいしすごく無駄なコストだと思うんです。罪悪感もすごいので何もプラスを産まずリスクしかありません。だから、ポリアモリーとしてオープンで生きることで本当に楽ちんだなと思えるようになりました。昔はポリアモリーを直したいと思っていましたが、今は直ったら直ったでいいし、直らなかったら直らなかったでいいと思っています。最後の浮気がバレて離婚したとき、『この慰謝料を払って離婚さえしてくれればあとはあなたの人生だから好きに生きてください』と元夫に言われました。別に価値観を変えなさいとか悔い改めなさいといったことは一切言われなかったので、そこは彼なりの、私という人間の受け止め方だったのかなと感謝しています」

 ポリアモリーとして生きていくと決めたら、他に好きな人ができたり浮気や不倫を繰り返してしまう罪悪感と自己嫌悪から解放されたというミナコさん。ただ、それでなくても覚えることが苦手な発達障害者にとって、複数の人との交際は記念日が多くなるので、それをうまくこなせるのだろうか。それに対してミナコさんは明るくこう答えた。

「それぞれの記念日を祝ってこなしている人もいるのかもしれませんが、私は逆に記念日にあまり興味がないタイプなんです。自分の誕生日も別に祝われなくてもいいし、相手の誕生日も絶対に祝いたいという気もありません。クリスマスもバレンタインも興味がなくて。たまたまなのか、そういう価値観の人だから付き合えるのか、パートナーたちも記念日にそんなに執着していません。
 でも、パートナーみんなで集まって鍋をやる、みたいなことはやっています。1対1×3というお付き合いよりもみんなでチームのように仲良くしたいと思っています。クリスマスパーティーだってみんなでやればいいじゃんという感じです」
 
 みんなでチームのようにして付き合う。ということは、性愛の場面では乱交に近いことにもなり得るのだろうか。

「乱交とはちょっと違いますね。私の3人目のパートナーは女性なのですが、その人にはもう一人彼氏がいて、でもセックスレスだったんです。彼の方は毎日セックスしたいけど、彼女のほうはそんなにセックスしたくない状況で。それで、セックスを私にアウトソーシングしてきたことはありました。要は、私に彼のセフレになってくれと。3人でデートしたこともありましたし、乱交で3Pというより、私が二人にオイルマッサージをして3人で仲良くイチャイチャ、という感じでした。
 風俗店に行ってもいいし、セフレを作ってもいいし、お互い好きにしよう、別にそれを隠さなくてもいいよね、という概念のカップルだったので、3人で仲良くできるんです」

 ASDの特性とポリアモリーの性質で悩んでいたミナコさんだが、ポリアモリーとして生きると決めてから一つ人生の扉が開けたようだ。

<後編へ続く>

自分らしい生き方を見つけたミナコさんですが、問題は他にもあるようで……。
後編は10月2日(土)公開予定です。

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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