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ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

自分を変えようとしてくる男性には要注意――発達障害女子が付き合ってはいけない男性像

セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……「ダメ恋」をやめられないのは、私に男を見る目がないから!?
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があるライターの姫野桂さんが、発達障害女性たちの恋愛事情に迫るルポ連載。
前回に続き、発達障害当事者の風俗嬢・エリカさん(仮名・32歳)の恋愛模様に迫ります。

モラハラ、リベンジポルノ、自己啓発系男子……

 前回述べたように、エリカさんは彼氏が途絶えない。前の彼氏と新しい彼氏が被っている時期があると、3人で鉢合わせてしまうなどの修羅場があるのではないかと気になるところだ。

「一度、別れようとしていた彼氏と同棲していた部屋に新しい彼氏を呼んで一夜を過ごしていたら、別れようとしていた彼氏から『今から家に荷物を取りに行く』と言われ、これは鉢合わせてしまうと思って、一旦新しい彼氏を家から少し離れたバス停に避難させたことはありました」

 最近の恋愛について尋ねると、エリカさんは淡々と答える。

「ここ数年ですと、殴る蹴るなどの身体的な暴力はないのですが、精神的DVをしてくる人と付き合ったことがあります。彼の方も仕事がうまくいっていない時期でストレスが溜まっていて、それを私にぶつけてきていたようです。性的な写真を撮られてそれが他人に流出してしまったこともありました。体の一部の写真だったので顔は出ていなかったのですが、体型から私だとわかってしまうのではないかと気が気じゃありませんでした。そんな精神的DVに我慢できなくなって、別の男性の家に避難したこともありました。まぁ、これは付き合っている期間なので浮気になってしまうんですが……。
 その他に付き合った人は、自己啓発系のYouTuberの影響を受けている人でした。その動画で学んだことをSNSで発信するんです。『このサプリやこの食べ物は発達障害に効果的だった』などと言い始めたこともありました。サプリはネットワークビジネスで売っているような怪しげなものではなく、普通のドラッグストアで手に入るような身近なものなのですが、「朝の習慣付け」とか「精神統一の仕方」なんかをフォロワーに共有し始めたときは、過去のネットワークビジネスでの勧誘がフラッシュバックしてしまいました。でも当時は私も彼の影響を受けてしまい、SNSでネガティブな発信をしないよう前向きな投稿を心がけたこともありました。けれど、やはり無理をしている部分があったのか、個人間のLINEのやり取りでは毒を吐いていました」

 発達障害者全般に言えるのが、小さい頃からできないことが多く怒られてばかりいたせいで自己肯定感が低いことだ。そのため、特に女性はDVを受けやすい傾向にある。そして、自己肯定感の低さからどうにか逃げ出そうと自己啓発やメンタル系のライフハックに走る人も多い。
また、発達障害同士のカップルは、SNSで交際宣言をしがちだという特徴がある。それについても疑問に思ったので聞いてみた。彼女も過去にSNSで交際宣言をしていたからだ。

「私はしてもしなくてもいいと思っていたのですが、相手がしたいと言ってSNSで交際宣言をしました。彼との交際宣言をしたのは、ボディガード的な意味もありました。彼氏がいるとわかると他に男性が寄ってこないだろうと思って。でもその交際宣言をした元カレと別れたのを機に、交際宣言や破局の投稿をするのはやめようと決めました。周囲の人から、別れたことを投稿したらたくさん男性が狙ってくるからやめた方がいいよと言われて」

 確かに私もかつて元カレと別れたことをネット上で公表した際、言い寄ってくる男性は多かった。傷心中の今がチャンスだと思うのだろう。知らず知らず、そういう「隙」を生む行動をとりがちなのかもしれない。

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姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

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