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爪切男「クラスメイトの女子、全員好きでした」

恋の隠し味はしそと塩昆布

 その後はクラスが別々になってしまい、二人で話す機会はなくなった。六年生で久しぶりに同じクラスになった時、もう片岡さんは鼻くそを食べなくなっていた。片岡さんが自分の知らない女の子になったような気がして寂しかった。

 大人になってからも再会できていない片岡さんに聞きたいことが山ほどある。
 いつ頃鼻くそを食べなくなりましたか?
 そのきっかけはなんですか?
 自分の子供が鼻くそを食べたりしてませんか?
 昆布を見たら鼻くそのことを思い出しませんか?
 大人になってから、鼻くそをほじった時に、私との思い出が蘇ったりしませんか?
 私は鼻くそをほじると、たまにあなたのことを思い出します。
 そして今ならはっきりわかる。
 片岡理恵さん、私は鼻くそを食べるあなたが好きでした。

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爪切男

つめ・きりお●作家。1979年生まれ、香川県出身。
2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)にてデビュー。同作が賀来賢人主演でドラマ化されるなど話題を集める。21年2月から『もはや僕は人間じゃない』(中央公論新社)、『働きアリに花束を』(扶桑社)、『クラスメイトの女子、全員好きでした』(集英社)とデビュー2作目から3社横断3か月連続刊行され話題に。
最新エッセイ『きょうも延長ナリ』(扶桑社)発売中!

公式ツイッター@tsumekiriman
(撮影/江森丈晃)

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