よみタイ

結婚相手は他人であることを忘れるな。離婚死別を想定しろ

この男と、親より長く暮らせるのか

私は同棲するまで実家に暮らしていた。

実家で27年、家族と暮らしていた。
それが、今後、結婚をすると戸籍上は家族となるが、そもそも赤の他人だった人と一緒に暮らしていくことになる。
80歳まで生きるとすると、80-28=52年間。

むむ。家族と暮らしていた27年よりも長く、赤の他人と暮らしていくのか。
自分の両親は、70代の今も確かに寄り添いあっている。
だが、昨今の離婚率の高さを一度棚にあげたとしても、
そもそも、実の親とも一緒に暮らしていない長い期間、私でいうと推定52年間を、他人と生活することができるのであろうか。

これまで、実の親とも何度か衝突しているわけである。
しかし、それは親の大きな愛に包まれていたから、なんとかやりすごすことができたとしか思えず、これが、戸籍上家族になったとはいえ、何か大きな衝突があった際、うまく着地点を見つけることができるのであろうか、と。

例えば、性行為に関して考えてみる。
私は性欲が強めな女ではあるが、男性の気持ちはさすがにわからない。
同棲をしてからというもの、いつでもできるから……と狩猟本能が弱まったのか、私ですら性欲は減退してしまった。
しかし、男性はどうなのか。
草食系男子も増えているし、個体差はあるだろうが、一般的に女性より性欲は強めであろう。
どこかお店に行ってもらうでも、バレないように素人の誰かとやっていただくでもいいのだが、そもそも、みんな未来永劫、旦那様が自分を性の対象としてみていると思っているのだろうか。そんなはずはない。少なくとも確率はかなり低いだろう。
しかも、これは男女問わずの問題であるかもしれないが、結婚したとはいえ、恋愛感情や性の問題というのはコントロール不可能な問題である。
となると、いつか夫のセックスの対象、もしくはそれが実際の行為を伴わない意識だけの対象だとしても、自分以外に向けられる確率はかなり高い。

私の友人で不倫をしている女性がいる。彼女は独身であるが、お相手は既婚者。
彼女は言う。
「経年劣化は当たり前。なら劣化を遅くするための維持をしなきゃ。相手の気持ちを維持したいのであれば、努力も必要」
不倫をしている女に言われたくないのだが、既婚者とそういう関係だからこそ、リアリティあるお言葉である。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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