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結婚相手は他人であることを忘れるな。離婚死別を想定しろ

タイトルのインパクト、著者の顔写真がカバー、そして何よりその画期的な内容の初書籍『ブスのマーケティング戦略』は、ロングセラー街道を驀進中。「東京都足立区で一番気さくな(自称)」税理士、お金の専門家の田村氏が伝える女性たちへの経済指南。仕事を持ち自分の自由になるお金を得て、人生の舵を自分自身で取るために、今からできること、心がけることとは。ブスでも、ブスではない人も、その中間の人も必読! 幸せに生きるためのヒント満載のエッセイ。

ブスとお金 第7回

私の結婚は、計算である

離婚を想定して、結婚する人は少ないだろう。
あ、仕事として、パートナーの保険金などを収入としている後妻業の方は死別を想定して結婚しているかもしれないが。
お仕事として結婚する方は除いて考えていきたいと思う。

結婚に踏み切る際に、離婚を前提とはしないだろう。
婚約時代、ちょっとケンカなどをしたときに、この人と離婚することってあるのかな、などと、ほんのちょっと思うことはあるかもしれない。
しかし、それが打ち消される、もしくは結婚を続行するイメージが勝ったから、結婚するのだと思う。
未来永劫、自分が選んだパートナーと人生を共にする。
と、結婚する時は、とりあえずほとんどのカップルが思っているはずだ。

私もその一人である。
離婚なんてせず、彼と一生時間を共にしたい。
共にすることで幸せになれるはず。
なんなら、私が仕事をできない時も寄りかかれれば尚よし。
なんてことを頭の片隅どころか、大部分で考えながら結婚相手を見つめたものである。

私が夫と入籍をしたのは28歳の時である。
その後、29歳で結婚式を挙げ、即妊娠をし、30歳で出産をした。
周囲からは「計算しまくっただろう。どんなスムーズさやねん」と突っ込まれたものである。

いや、計算である。
一生に一度は結婚をしたいと思っていた私としては、自分の容姿などに自信がなかったこともあり、年齢が上にいけばいくほど、もらってくれる人は少なくなるだろうと考えた。

「年齢や容姿で結婚相手を判断する男性なんて、そもそも相手にしなければいい!」
とお叱りの声が飛んできそうだが、
自分が男性だったらと逆の立場で考えてほしい。

体形維持に余念がない40代とぶくぶく太っている20代の女性が目の前にいたら、これは、40代にも勝ち目がある。

しかし、見た目が全く同じ40代と20代の女性が目の前にいたら、どうだろうか。
さらに、優しいとか性格面から、料理上手などの特性まで、中身も一緒であったらどうだろう。

結婚とは、人間が本能的に子孫を残していくためのプロセスであったりもする。
子孫を残すとなると、残念ながら特に女性には、受精に適した年齢というものがある。
出産には、年齢による影響は無視できない。

となった場合、結婚を考えている男性、すなわち子孫を残すことを考えている可能性が高い男性に選んでもらうとなると、年齢は一つの基準になりそうだと私は考えたのである。

また、そもそも容姿に全く自信がない私としては、このまま経年劣化していったら余計に引き取り手がいなくなると考えた結果、28歳で結婚にいたったわけである。

こう書くと、全く相手に対する要望もなく、そこにいた誰かと結婚してもらったかのような書きぶりになってしまっているが、一年同棲をし、生活観念をすり合わせ、経済状況(収入・借金の有無・貯金残高)・家族環境(信仰)・将来の家族計画(不妊治療はするか否か)などもゴリゴリに確認してから結婚しているので、安心してほしい。

私は自信がないにもかかわらず、結婚というものをしてみたかったので、タイムリミットとして20代を設定し、それをクリアしただけである。
自信をお持ちの方に関しては、別に年齢の壁なんてないでしょうから、参考にならない話でしょう。

そして、ゴリゴリに価値観をすり合わせてから、結婚にいたったものの、私にはやはり不安が残っていた。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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