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「二人目はいつ産むの?」という無責任な問いかけ

子育てにはお金が不可欠という現実

しかしだ。
子供は感情で産むものではないと思う。
産んで終わりではない。
親として育てる義務がある。

習い事も一切させず、すべて公立の学校に通わせる。
それだって、教材費はかかる。

これが、一人ではなく、二人、三人。
教材費・食費・部屋の数。
すべてが比例して増える。

公立ではなく、私立に行きたい。
海外に行きたい。留学したい。

なんて、言われた日にはどうだろう。
昔のドラマのテンプレで恐縮だが、
「あなたはお兄ちゃんのために我慢してね」
と、何人目かの子供か知らんが、それを親として言える覚悟があるのか。

きょうだいがいなくて可哀そう。
好きなことをやらせてあげられなくて可哀そう。

さて、どちらを親として選択するか。

もちろん子供がたくさんいるから、がんばって働く。お金を稼ぐ。という責任感をもって生きていくという選択もある。

ただ、一つだけ言えることは、
子育てには金が不可欠ということだ。

このご時世である。
経済はどうなるかわからない。
今の収入が将来永劫続くかもわからない。
この考えは、保守的といわれるかもしれない。

しかし、将来がどうなるかわからない時代に、産まれてくる子供の将来を考えてあげられるのは私たち、親だけなのである。

子供というものは、勝手にできるものではない。
寝て起きたら、いつのまにかできているものでもない。

二人の人間が、接合行為をしなければできないものである。

「うっかり……」
そんなことはありません。
そりゃ、避妊具に穴をあけられていたとか、そんなことがあれば別なのかもしれませんが、この時代の避妊具を正しく装着して、うっかりできたなんて話は私は聞いたことありませんよ。(あったらすいません)

「うっかり……」
なんていう人は、大抵、私たち夫婦のように避妊をしていない。
つまり、おのれの欲望のままに行為をしているだけ。
欲望の先に、妊娠・出産・子育てがあることを考えていない。

性行為は、楽しい。
私も若いころは溺れたものだ。

しかし、その快楽の先には、責任が伴うのである。
性行為の本番というのは、責任を見据えたうえで致す行為であり、まだ責任が負えないと思うのであれば、正しく避妊しなければならないのである。
当たり前だ。保健体育でちゃんと指導しなければならない。

「二人目は?きょうだいは?」

こんな無責任な質問に心を乱されるな。
うちの家計みて、二人いけると思って言ってるんですか?と返してやれ。
なぜ、その質問をするのか聞いてやれ。

大抵「え……きょうだいがいるのが当たり前。一人っ子はかわいそうじゃない」
という、そいつの主観からの無責任な質問だから。

国全体という大きな目で見れば、少子高齢化は喫緊の課題である。
子供は増えたほうがいい。
しかし、その子供にかかるお金の責任は、国はもってくれない。親である私たちにかかってくるのである。

お国のため、子供のため。
今の私達夫婦には、両方を選ぶ余裕はなかった。
富豪だったら、二人、三人産もうという気になったかもしれない。
選択肢がある方を否定する気はない。
むしろ羨ましいくらいだ。

今の自分の力量でできることを冷静に知るべきだ。
周りの言うこと、メディアが言うこと。
情報を取捨選択することは、自分にしかできないのだから。

あなたの選択を!

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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