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「二人目はいつ産むの?」という無責任な問いかけ

我が家に子供は一人、という選択に至るまで

現在、私には娘が一人いる。
これは、この先も変わらないであろう。増えることはないと思う。

今の私と夫の収入構造から、二人で家族計画について話し合ったことがある。
私たちの願望は二つ。
・私たち夫婦が変わらず自由に生きていきたい。
・子供がやりたいことをやりたいときにやらせてあげたい。
となれば、子供は一人だと考えた。

しかし、娘が産まれてしばらくして、実はもう一人身ごもったことがある。
まあ、そんな簡単にできないだろうと思いながらの浅はかな行為だったことは否定しない。
もちろん避妊なんてしていない。
正直、びっくりの妊娠ではあったが、
妊娠したからには、一人だろうが二人だろうが、責任もって育てよう。
そんなプレッシャーの中、一人目の時、切迫早産気味だったにもかかわらず、妊娠初期の大事な時に、仕事のペースを全く落とさずむしろ加速させ、流産してしまった経験がある。

妊娠したからには仕事も大事だが、小さな命を大切にしなければならない。
しかし、その命を将来の経済的責任感からとはいえ、疎かにしてしまったような感覚が残ったことは事実である。

妊娠をするからには、経済的にもだが、小さな命が安心して育つことができるよう母体の体制も整えることが大事な責任であるとその時悟った。

改めて、夫婦生活についても夫と話し合いを設けた。
体制が整っておらずの妊娠、中学生でもわかるであろう避妊について、自分たちの浅はかな行為を30代前半の私たちは反省をした。
そして、改めて、当初の将来計画を見つめなおし、天に飛んで行った……いや、私が天に飛ばしてしまったのかもしれない小さな命に怒られない生き方をしようと二人で誓いあった。

こうして私たちは、もう二人目は作らないと決めた。
無理せず、自分たちのペースで経済的なベースを作り、夫婦自由に生きられて、今いる娘にもやりたいことをやらせてあげよう、と。

「きょうだいは作ってあげないとかわいそう。一人っ子はかわいそう」という言葉を感傷的に受け止めてはいけない。

私も兄弟がいる。
子供の時も遊び相手になったし、大人になってからも悩み事を相談したりと、兄弟がいてよかったなあと思う瞬間はたくさんある。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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