2020.1.8
5年でWindowsがバージョンアップを何回していると思っているの?
ブスとお金 第3回
「自分が子どもの頃、学校から帰ると母親が毎日家にいた。『お帰りなさい』と迎えてくれて、すぐにおやつを出してくれたっけ。私も自分の母親と同じような母でありたい。子どもが小さい頃は家にいてあげたいんだ。そして、子どもが大きくなって手が離れたら、また昔のように働きに行くの」
1984年3月生まれの35歳(2019年12月24日現在)の私の大学時代の同級生でも、そんな少女のようなことを言っている。大きくなったら『アナと雪の女王』のエルサになりたいんだと言っている私の5歳の娘と同じようなことを、35歳が言っているんだから日本は平和なものだ。
「子どもが大きくなったら」とは何年後のこと?
教えてほしい。
「子どもが大きくなったら」とは、具体的に何年後のことを指すのだろうか。
5年後?10年後?15年後?え?20年後?
子どもじゃないんだから、具体的に計画的に将来のことを考えていこう。
仮に10年後としてみる。
出産前後に退職し、子供が10歳になってから働きに行く。
そんな「無謀なこと」を仮定してみよう。
まず、10年という時の重さを知ってほしい。
「ルールールルールルー♪」と広末涼子が公園で寝そべって鼻歌を歌っているだけで売れたポケベル。このCMが放送されたのが1996年である。謎の暗号を一方的に送るために、公衆電話に長い列ができた。手帳にはポケベル表を皆が備え付けていたものだ。
ビジネスマンをターゲットとしていたポケベルも、気づいたら女子高生の必需品となっていった。謎の暗号表を見ずとも、打てる人間が最強であった。
しかし、時は流れ、あれよあれよという間に、PHS、携帯電話が一般庶民にも普及していく。
謎の数字を打たずとも、簡単に文字を打ってメールを送れるようになった。公衆電話に並ばずとも気持ちや情報のやり取りができるようになっていく。
授業中、会議中。真剣に話を聞いているようで、机の下で文字を打てる人間が最強であった。
そして、ご存じのとおり、今はスマートフォンである。
みな覚えているだろう。ガラケーからスマートフォンに移行した時の苦労を。今まで、12個の突起ボタンを押せばよかったのに、それがタッチ画面での操作になったのだ。フリック入力である。
若者は片手で、何も見ず入力しているが、携帯ブラインドタッチ世代である者にとっては、フリック入力に移行するのが大変だったことを思い出してほしい。
この、ポケベルからスマートフォンへの移行。たった10年足らずである。
もちろんデジタルの激動時代だったからともいえるが、ポケベルがはやった時代、まさか10年後、スマートフォンが出現するとは誰も想像していなかったであろう。
ポケベルの謎の暗号を覚えていても、今、全く意味がないのだ。
時を戻そう。(このコラムは2019年M-1グランプリ直後に書いている)
10年とはそれだけ時の流れが速い。
今は、大学生はレポートをスマートフォンで書いている時代だ。
フリック入力ができない人間からしたら信じられないだろう。それだけ時代の移ろいは速いのだ。10年後、下手をたらパソコンもなくなっているかもしれない。
気軽に社会に適応できると思うな。
社会にずっといたって、適応が難しいのに、社会から10年も離れていて気軽に戻れると思うな。
Windowsだって何回アップデートしてると思っているんだ。
専業主婦であった間にビジネススキルをアップデートしているならともかく、独身時代のスキルや知識が10年後、そのまま評価されると思わない方がいい。