2019.7.30
「吉本興業・闇営業問題」から見る優劣思考~自分とは無関係の他人を叩くメンタリティについて
巷は「闇営業問題」で荒れています。
反社会的勢力からギャラをもらったのが悪いだの、いや、そもそも吉本興業が芸人に適切なギャラを渡していないから悪いだの、と喧々囂々。
吉本興業にはクレームだけでなく爆破予告までされるほど。
ギャラを受け取った宮迫さん、ロンブー亮さんは引退する? 契約解消する? と、その進退にも注目が集まっています。
おそらく本連載を読んでくださっている方の中にもこのニュースを見てハラワタが煮えくり返っている人もいるでしょうが、是非そうした方は一度深呼吸してから冷静に考えてみましょう。
……このニュースに関してあなたが怒る必要ってありますか?
無関係の他人をハンマーで叩く心理とは?
有名人や芸能人が不祥事を起こすと、ここぞとばかりにどデカいハンマーを我が物顔で振りかざす人がネット上に大勢登場します。
この件で吉本興業所属の芸人が同調したり、同じ芸人仲間が擁護したり批判したり、関係者が介入するのは、当然気持ちは分かります。
しかしながら、さも自分のことであるかのように当人や吉本興業に怒りをぶつける一般の方は、一体どこに沸点があり彼らを非難しているのでしょう?
日韓問題においても同様です。
解決しなければならない問題はもちろん山積していますし、放置できないことだとは思います。しかしいくら日韓関係に問題が生じているからといって韓国のカルチャーや「韓流推し」している日本人まで叩きにかかるのは一体どういうメンタリティなのか。問題や事件と関係ない部分まで広げて「韓国に関わることはあらゆる全てを叩く」ような人がネット上では少なくありません。

誤解を恐れず言えば、こうした方々は大義名分の元に自分の感情を爆発できるところを欲しているのではないでしょうか。
正しかろう位置に立ち、悪かろう人を思い切り叩く。
実際は自分には何も関係ないし、仮に叩く相手が間違っているとしてもそんなことは関係ない。ただ単に感情爆発し、ハンマーを振りかざす場所を欲している。
ヤフコメやSNSなどでこうした方々のコメントを見かけると、私は悲しみを感じてしまいます。
そんなにも日常が辛いのか、そんなにも劣等感を感じているのかと。