2019.4.23
僕はパニック障害で本当に良かった〜漫画『火の鳥』から読む認識の重要性について
これもまた『火の鳥』の例ですが、第5巻に登場するレオナは、手術により人工頭脳を入れたサイボーグ人間となります。そんな彼の目には機械の塊であるロボットが美しい女性に見え、溶鉱炉は自然の河川に感じられています。
物は構成元素で決まるのではない、見る人の認識によって決定されるのです。
我々は今の「結果」をどこか環境や条件や生まれ持った才覚のせいに転嫁しがちです。
もし俺が病気じゃなかったら、もし俺が金持ちの家に生まれて来たら、もし俺が東京に住んでたら、もし俺が頭がよかったら、もし俺が女性に生まれていたら…これら全て私が若い頃に抱いていた認識です。
精神疾患で学校を休学せざるを得なかった私は病気である自分の環境を呪いました。
貧乏で、したいこともできない、望む学校にも進めない自分の生まれを呪いました。
脚が短く顔が大きく髪が薄くいけすかない顔をした自分の見た目を呪いました。
長くこうしたネガティビティを抱えていた私でしたが、様々なことを学び、モノの見方を覚え、他人を知り自分に置き換え…少しずつ認識の変化を起こしていきました。
こちら前回の記事でも書いた通りですが精神疾患でよかった、貧乏でよかった、髪が薄くてよかったと今ではネガティブがポジティブな認識に変わっています。
どうか忘れないでください。
人生を不幸にするのは環境でも状況でも条件でもない、他ならぬ「あなた」です。
認識が変化することで人生はいくらでも好転します。認識が変われば思考が変わり、行動が変わり結果が変わります。
今見ていること、今感じていることが全てだと思わないことです。
認識は「人との関わり」から変化することが多い
「どうすれば認識が変わるのか」と質問したい人も多いでしょう。しかしこれは方法論で語ることではありません。
あなたの認識が変わるのはあなた次第です。
読書で変わる人もいます、セミナーで変わる人もいます、ふとしたきっかけで自ら悟る人もいます。
しかし私の経験則では「人との関わり」で変化する人が多い。
パニック障害を患い絶望していた私を救ってくれたのは、医師と母からもらった何気ない一言でした。
「病気であることもあなたの一部なんだよ」
私はこの何気ない一言で認識がガラリと変化しました。
病気を治そうとばかり考えていた私に衝撃を与えてくれました。
どこか私は「病気を患っていない自分」を本当の自分として認識し、本当の自分に戻る方法ばかりを考えていました。
しかし「病気を患っている自分こそが本当の自分」と気がついたのです。治る病気ではないのだから病気を付き合って生きていかなければならない。つまり病気も自分の一部だと認識した時に、私は前向きに病と共に生きる道を選択できたのです。
私のパニック障害は電車に乗りたくない、映画館に行けない、人の車の助手席に乗れない、会議に参加できないなどなど、様々な弊害がありました。(もちろんこれらも場合によっては可能な時もありますが…)
私は会議に出たくないから出なくていいくらい偉くなろうとしました。
電車に乗れないから車を買えるくらい稼いでやろうと思いました。
彼女とのデートで映画を断るのは少し申し訳なかったけど…映画に行くより楽しい時間を過ごさせてあげようとプランを考えるようになりました。
こうした病気による弊害のおかげで、私は一皮も二皮も成長ができました。
今でもパニック障害を患う自分こそが愛すべき本当の自分であるとしっかり認識しています。私はパニック障害があるからこそ成長できたし、他人に優しくなれた。
これもまた認識による結果の変化です。