よみタイ

どんどん好きになる万年筆。Majiで“インク沼”にハマる5秒前

グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう―― そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

万年筆がどんどん好きになっているのは、寄る年波のせいなのか。
文字を手書きすること自体が減っているのも、大きな理由なのだと思う。
ほっておくとほとんど何も書かずに一日が終わってしまうので、僕は4〜5行程度の短い日記を毎日つけることにしている。
使うのは断然、万年筆だ。

マイ万年筆は、モンブランの“マイスターシュテュック4810”と、ラミーの“サファリ”。
中字のモンブランはインクが乾きにくいので、時間に余裕があり、ゆったりした気分のときに使う。14kを使ったペン先の滑らかな書き味は、極上の心地よさだ。
細字のラミーはインクがすぐ乾くし、万年筆としては安価。スチール製のペン先はゴリゴリ書けるので、ボールペン代わりのような感覚で普段使いしている。

濃紺・漆黒の次は、ちょっと遊びのある色を。第三のインクを模索中

モンブランもラミーもカートリッジではなく、コンバーターを装着してインクを吸入する方式にしている。
壺からインクを補充する、ちょっと古くさい作業も好きなのだ。

各社から様々な色のインクが出ているので凝る人も多いらしく、カメラ好きの “レンズ沼”よろしく“インク沼”にはまる人もいるとか。
いくつか試してみた僕は、モンブランの濃紺インク「ミッドナイトブルー」が一番しっくりくることが分かった。
大勢のファンを持つ、万年筆界の王道インク「ミッドナイトブルー」。名前も素敵だ。

しかし最近、墨のような真っ黒も気になるようになり、セーラーの「極黒きわぐろ」というインクも買い足してみた。これもまたなかなかいいのだ。
特に僕のモンブランのような中字から太字の万年筆だと、筆でしたためたような文字になる。
現在、モンブランには「極黒」、ラミーには「ミッドナイトブルー」という体制にしている。

両方とも古典的かつ保守的な色だけど、次は少し遊びのある色もいいかなと思い、目下、第三のインクを模索中。
万年筆のインク選びは楽しい。
沼にはまる日も近いかもしれない。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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