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ロボット型よりおすすめしたい、マキタのコードレス・スティック型掃除機

グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう―― そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

1990年頃、大学の人間工学の講義で聴いた話が強く印象に残っている。
二十世紀初頭に原型が発明され、1940〜60年代に一般家庭へ普及した電気掃除機は、それまでの「掃く・拭く」しかなかった掃除の概念を大きく変える画期的な商品だった。
だが1980年代初頭に使い捨て紙パック式が開発されると、主だった機能が出揃ったため、もはやそれ以上の進歩が起こりにくい“停滞系”家電となった、という話だ。

ところがその後、掃除機は大きく進化した。
ダイソンのようなサイクロン式の原理は古くから知られ、1920年代には同方式の商品も発売されていたらしい。
だからこれは純粋なイノベーションではなく、宣伝効果の話になってくる。
すごいのは、ルンバなどのロボット掃除機だ。

新しいもの好きの僕は、ルンバが発売されるといち早くゲットした。
でも、今はもう使っていない。
あれは床にお店を広げがちな小さい子供のいる家庭、それにペットのいる家庭には向いていない。
我が家ではルンバを使っていた当時、大惨事に見舞われたことがある。

ネコはきれい好きな動物で、必ずトイレで用をたすが、その日に限ってたまたまお腹が緩く、床に粗相をしてしまっていた。
そこにルンバが作動。床一面に塗り広げてしまったのだ。
帰宅して玄関を開けた瞬間、部屋から漂う異臭は凄まじかった。
まったく同じエピソードが、西原理恵子のマンガにも描かれていた。
ネコを飼っている家庭の多くで繰り広げられた惨事なのかもしれない。

今はネコではなくイヌを飼っている我が家だが、犬トイレはネコのようなボックス型ではなく、床に直接シートを敷くので、ますますロボット掃除機と相性が悪い。
だから、まったく使わなくなってしまった

商業施設でも使われているパワフルな男前掃除機、その名はマキタ君

いまはダイソンのサイクロン掃除機とマキタのスティック型掃除機の二つを使っている。
ダイソンの方はご存知のように非常に素晴らしい吸引力で文句はないが、今さら紹介してもしょうがないほど有名なので、今回、言及したいのはマキタの方だ。

一般的にスティック型掃除機といえば、小回りが利き便利ではあるがパワー不足で、一人暮らしの人が、ワンルームマンションなどの狭い部屋で使うものと相場が決まっていた。
ところがこのマキタ君。大容量バッテリーパックを装着して使うコードレス型で、ものすごく小回りが利くうえ、持続力も吸引力も抜群。
商業施設などの清掃にも使われるプロユースで、広めの一軒家も楽々掃除しきれるほどパワフルな男前掃除機なのである。

さすが、電動工具の世界で一目置かれるマキタ製だ。
今のところ我が家では、ロボット掃除機よりもずっと評価が高い。

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新刊紹介

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『オフィシャル・サブカル・ハンドブック』『日本懐かしスニーカー大全』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

ツイッター@satoseijiro

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