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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

1990年代の日本でも流行った“ダウジング”って、いったい何だ?

ダウジングというものをご存知だろうか?
ダウジングとは、その能力を持つと謳う人が、手に持った棒や振り子の自動的な動きによって、隠されたものを見つけだす方法。
一般的には一種の超能力のように考えられている。
ダウジングで用いられる道具には、振り子状のペンデュラム・ダウジング、L字あるいはY字型棒のロッド・ダウジングなどがある。

『ドラえもん』でも描かれていたので、僕ら世代は小学生の頃からダウジングの存在を知っていた。
ダウジングを試したいというジャイアンはL字型のロッドを使ったが、のび太が土に埋めた100円玉を見つけられないうえに逆ギレし、のび太泣く、というお馴染みのパターンだ。

日本では弘法大師が伝えたとも言われるダウジングは、古代から地下の水脈や鉱脈、埋蔵金、行方不明者や隠遁いんとんする犯罪者、古い水道管などを発見する方法として、世界中で広く使われてきた。

1990年代前半には、日本ダウザー協会会長の堤裕司という人が数多くのテレビ番組に出演し、ダウジングで行方不明者を捜索する様子が放送された。
これが実によく当たるため、日本でもダウジングがブームになりかけた。
しかし、折しも発生したオウム事件によって、メディアからオカルト色を追放する動きが起こり、ダウザー・堤氏の姿もその後はまったく見られなくなってしまった。

催眠療法でも用いられる観念運動とダウジングはほとんど同じものだった

堤氏がテレビによく出ていた当時、大学生だった僕は友達と堤氏のダウジングについて議論したことがある。
僕たちは普通の人よりも少しダウジングについて詳しく、また興味もあった。
なぜなら、大学のゼミでダウジングと似た振り子運動の実習をよくやっていたからだ。
そう書くと、とんでもなく怪しい学問をしていたのかと思われるかもしれないが、至ってまじめな話だ。

僕は大学で臨床心理学を専攻し、3年からのゼミは「催眠を中心とした心理療法」。
実はダウジングとは、潜在意識を筋肉の微細な不随意な動きとして引き出す、心理学の「観念運動」とほぼ同じなのだ。
観念運動はまったくオカルトではない。
催眠への誘導過程で、潜在意識に集中する手段として、ダウジングのような振り子がよく用いられる。

世の中には、やたらと勘のいい人が確実に存在する。
ダウジングによって水脈や鉱脈を当てられる人は恐らく、地形や植物の植生などによって、潜在意識下の勘で探し物のありかを察知できる人ではないかと言われている。
ダウジングは、そうした勘の働きを目に見える形に変換しているにすぎない。

そんなことを思い出したのは、先日エスニックショップで、天然石製のペンデュラム・ダウジングを発見、購入したからだ。
そして学生時代以来久しぶりに、観念運動で我が心の声を聞いてみたりしている。
観念運動のやり方は簡単で、「はい」なら右回り(あるいは縦方向)、「いいえ」なら左回り(あるいは横方向)など、振り子の動きに対応する回答をあらかじめ決め、自分自身に何ごとかを問いかけるだけ。

繰り返すが観念運動自体はオカルトでもなんでもなく、誰にでも普通に起こる現象なので、じっとしていればやがて振り子は勝手に動き出し、自分の心の中の答えを示してくれる。
精神統一もできて、これをやったあとは少し気持ちがスカッとするものだ。

本来は専門の道具も不要で、5円玉か50円玉を糸で吊るせばOK。
学生時代の実習ではそうしていた。
面白いので、皆さんも試してみてはどうでしょう?

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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