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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

今を「秋」だという暦のほうがおかしい! 猛暑の日々にこんな帽子を

この時期、お天気お姉さんの決まり文句は、「暦の上ではもう秋ですが」。
もうそんな季節か……なんて思わない思わない。

ずっと前から思っていたけど、暦って変だよね。
暦の「立秋」(今年は8月7日でした)とは、“夏が極まり秋の気配が立ち始める日”とされているが、責任者を焼けたアスファルトの上に正座させ、「立秋から三週間も経ちますが、どこらへんに秋の気配が? え?」と問い詰めたくなる。

特に今年は梅雨が長かったから、夏本番の暑さになったのは8月に入ってから。
8月7日以降が“秋”なら、本物の夏はたった1週間だけじゃないか。
これはどう考えても、本格的におかしい。
8月後半のいまも夏・絶好調だし、それに9月に入ってからもきっと、「暑さ寒さも〜」の慣用句どおり、9月下旬ぐらいまでは高温DAYSが続くのだ。
僕の感覚に従って暦を訂正できるならば、9月前半が「立秋」で、それまではキッパリと「夏!」。
そして立秋から彼岸まで約二週間にわたる初秋の暑さが“残暑”だ。

バカが何を言っているのかと思われるかもしれない。
でもね。
この時期に秋だの残暑だのと聞くたび、「ちょ待てよ」と往年のキムタクばりの声が出てしまう。
まあ「春」もそうだけど、暦ってやつはどうにも気が早すぎるよね。

カインズの“残暑セール”でゲットしたナイスな草帽子はたったの399円

などと言いつつ、冷静にウィキペディアで調べてみると、暦、すなわち二十四節気が成立した中国内陸部は大陸性気候のため、実際に立秋の頃から気温が下がりはじめるのだそうだ。
しかし海に囲まれた日本列島ではピークがずれ込み、猛暑の時期が続く。
なるほど。

さて、そんな猛暑続きの昨今、僕には家人から「そういうのは似合わないんだからやめなさいって」と散々言われながらも、どうしてもかぶってしまう帽子がある。
つば広ハットだ。

ネイビーの方のブランドはOVERRIDE。
ベースボールキャップのようなドーム状のトップは6枚接ぎで、うち4箇所がメッシュになっている。
かぶり心地がいいうえに、とても涼しいので僕は長年愛用しているのだが、これをかぶっていると妻から「幼稚園児」とか、「今日はどこへ昆虫採集に行くの?」とか言われる。

もうひとつは今年導入した、カインズの作業用草帽子だ。
ありがたいことに、残暑セールで税込399円だった。「残暑」も悪くない。
どうせ揶揄されるのはわかっていたので、先手をとって「こんなの買っちゃった。ルフィみたい?」と妻に聞いたら、すかさず「というよりカールおじさん」と言われた。

でもいいんだ。すごく気に入ってるから。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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