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貞子よりも恐ろしい…「リング」の鈴木光司が体験した「海の怪」3選

「リング」シリーズで知られる鈴木光司さんが、25年に及ぶ自身の航海経験を中心に、海の仲間、知人友人から聞いた怖いエピソードなど、海をめぐる不思議な話を語る「海の怪」。
7月に惜しまれつつ最終回を迎えたこの人気連載に書き下ろしを加えた書籍が、9月4日に発売されます。

これを記念して、今回は、書籍『海の怪』の中から、著者の鈴木さん自らが「特に怖かったエピソード」を3つ厳選。その理由とともにご紹介します。
あの稲川淳二さんからの推薦コメントも!
背筋をヒヤリとさせつつ、どうぞ最後までお見逃しなく……。

(文・構成/よみタイ編集部)

海の恐ろしさを再認識した「海に墜ちる」

映画の撮影に使用されたのはいわくつきのクルーザーだった。船酔いした俳優がキャビンで横になっていると……。
「海に墜ちる」の本編はこちら

「11月の終わりの寒い日、撮影用にぼくのヨットを貸した際に起きた出来事。若い俳優がそこにいるはずもない『彼』を見てしまった。
撮影クルーは大した人数ではなく、みんな顔見知りなのに、知らないおじさんがいたと言う。初めは何かの見間違いだろうと思っていた。
でもその俳優から『口ひげを生やした小柄な初老の人で、こんな季節なのに短パン一丁だったんですよ』という言葉を聞いた瞬間、ぼくにはその正体がわかった。それは間違いなく2年前にその船から忽然と姿を消したベテランの船乗りの男だった。
船に乗るということは常に死と隣り合わせなのだ。それを決して忘れてはならない」

恐怖の音が耳から離れない「繋がってはいけない」

防衛大生だった娘婿が研修で硫黄島を訪れた。太平洋戦争の激戦の跡が残る洞窟にうっかり眼鏡を忘れてきてしまい……。
「繋がってはいけない」の本編はこちら

Kunhui Chih/istock
Kunhui Chih/istock

「眼鏡が割れるパキッという音が今も耳に残っている。
目の前にいた眼鏡屋の店員も一緒にその音を聞いていた。今どきの眼鏡は、フレムームが歪んだり、レンズに傷がついたりすることはあっても、そう簡単に真っ二つに割れることはない。
店員の知識と経験からしても、レンズがこんな割れ方をするはずがないという。
この世界には現世の者が決して繋がってはいけない場所があるのだとあらためて感じた」

思わず息を呑んだ実体験「言われるがまま」

沖縄への航海の途中、和歌山で温泉に行こうと上陸。レンタカーのカーナビの指示通り、宿へ向かおうとするが……。
「言われるがまま」の本編は書籍で。

Willy Sebastian/Shutterstock
Willy Sebastian/Shutterstock

「本当に怖いとき、人間は『キャー』なんて声は出せない。息を呑むだけ。それがよくわかった。
カーナビの無機質な声に導かれるままあの場所にたどり着いたとき、車内にいた全員が息を呑んだ。あの一瞬の沈黙と、張り詰めた空気感が忘れられない」

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