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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

持っているだけで満足できる高性能ハンディライトは男のロマン

なぜだかわからないが、妙に男心をくすぐるアイテムがある。
前にこのコラムで書いたカラビナもそうだし、光学機器変てこな楽器カメラちょっと古い家電などもそうだ。
そして世の中には、なぜか男好きする魔性のアイテムが、まだまだたくさんある。
集める気などないのに、僕がいつの間にか数えきれないほど保有しているハンディライトもそのひとつなのだろう。

我が家には100均で買った安いものから万札が必要な高価なものまで、ハンディライトがゴロゴロ。
そんなに必要ないとはわかっていても、お店で新しくいいものを発見すると、つい買ってしまうのだ。
性能のいいハンディライトは防災グッズにもなるので、家庭の必需品であることは間違いない。
だけど、スマホにも便利なライトがついているこの時代、僕のように十本も二十本も保有する必要は果たしてあるのか。

いや、ない。
でも持っているだけで満足なのだから、仕方ないっしょ。
“魔性”とはそういうものだ。

ずっしり重いアルミ製ハンディライトを持つと、気分はハリウッド映画の主人公

家の中に転がっているライトを片っ端から見せてもしょうがないので、特に気に入っている選りすぐりの2本を紹介したい。

ひとつはドイツのメーカー、LEDLENSERの“P2”という機種。
単四乾電池1本を使うコンパクトなペン型ライトで、フォーカスレンズを絞ると月のようなまん丸の明るいスポット光が現れ、狭い場所をピンポイントで照らすことができる。
携帯性に優れているから、鍵と一緒に常時腰にぶら下げておくと何かと便利だ。

もう一本はオーム電機という国内メーカーの“Ledkaiser zoom”。
単二乾電池3本を使うやや大型のライトで、フォーカス機能や電池残量インジケーター機能がついた本格的なLEDズームライトだ。
このライトの特筆点は、1350ルーメンという圧倒的な光量。
興味のない人が急にルーメンとか言われても戸惑うだけだと思うが、かなりの明るさなのだ。

両者のライトに共通する、僕にとっての萌えポイントがもうひとつ。
オールアルミボディでずっしりと重く、握ると手にひんやりとした感触を伝えてくること。
これが堪らんのですよ。
わかっていただけるだろうか?
まあ今回は、わかってもらえなくてもいいや。

僕はこれらのライトを持つと、小さなLEDLENSER“P2”は口にくわえ、大きなオーム電機“Ledkaiser zoom”は逆手に握り、顔の横に掲げたくなる。
ハリウッドのアクション映画で、工作員が真っ暗闇の地下水路の中を捜索する場面なんかでよく見かける、あの持ち方だ。
おわかりいただけるだろうか?

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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