よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

なぜ更衣室のロッカーがここに!? 脳が一瞬混乱するセリアのミニチュア

頭の片隅に確実に存在するけど、普段はまったく意識していないモノを、意外な形で提示されると、「え? あぁ。ねえ」ってなるものだ。
何を言ってるんだか、わからないかもしれない。
でも、写真を見てもらえれば。
ね。

「ブリックレトロロッカー」という商品名のこちら。
教室の片隅や会社の更衣室に置いてある昔ながらのロッカーをミニチュアサイズにした小物入れだ。
セリアで発見したとき、僕は一瞬、全身の力が抜けた。
どうしてこんなモノを作る気になったんだろう。

メーカー表示を見ると、三重県の山田化学株式会社とある。
セリアを中心に雑貨を卸している会社だが、僕が以前購入してすっかり気に入ってしまった「ブリックコンテナ」と同じメーカーだ。

まったく。素晴らしすぎるぜ、山田化学。

とりあえず、何を入れたらいいものか。そんな悩みも楽しいレトロロッカー

そういえば中学のとき、このロッカーにしのんで女子の着替えをのぞこうと計画し、あっという間にバレて吊し上げられたA君は、今頃どんな大人になっているかな……。
大学生の頃にバイトをしていた池袋パルコの清掃事務所。
間違えて還暦近い社員Oさんのロッカーを開けたら、派手な女性ものの服が隠すように吊るされていたっけ。あれはやっぱり自分で着るのかな……。
机上のミニチュアロッカーを眺めていると、様々な記憶が蘇ってくる。

それにしても、これこそ不朽のデザインと言っていいだろう。
数十年前の教室にあった掃除用具入れと変わらぬ形のロッカーが、昨日、健康診断で訪れた診療所の更衣室にも置いてあった。
温浴施設やゴルフ場の更衣室でもよく見かける。
これ以上は進歩させようのない、ユニバーサルデザインなのだろう。

さて、色違いでふたつ買ってはみたものの、ちょっと特殊な縦型ボックスなので何を入れればいいのか迷う。
ちょっと考えて、ひとつはふさわしいものが見つかった。点鼻スプレーだ。
アレルギー体質の僕は鼻がつまったときのために、点鼻スプレーを常備しているんだけど、机の上に置いておくとデザイン的にちょっと萎える。
これを入れておくのにちょうどいいのだ。

もうひとつは入れるものが決まらないので、とりあえず、初もののセミの抜け殻を入れてみた。
シュールで悪くない。

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

新刊紹介

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

週間ランキング 今読まれているホットな記事