よみタイ

佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

“マスク必須”のディストピアが来ることを予言したのが私です

誰も褒めてくれないので、ちょっと自分からアピールしてみよう。

みんな忘れちゃったのかもしれないし、そもそも気づいていないのかもしれないけど、「よみタイ」の本連載“グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート”2019年12月18日付けの回で、僕はちょっとした予言をしているのだ。

ディストピア幻想について書いたそのコラム。
大災害に見舞われたあとの世界でサバイブするために必要なものは、“情報”と“呼吸”だという自分の考えを示した。
汚染された大気の中で呼吸を確保するためには、高性能の防塵マスクが必須。
だから我が家の防災グッズの一番上には、PM2.5防御マスクを大量にストックしている、と。

どうですか! 
現在の世界の状況と照らし合わせてほしい。
僕が想定していたのとは少しだけ違うけど、やっぱり、何よりも大事なのはマスクという世界になったじゃないか!

じゃあ、お前はそのPM2.5マスクとやらを使っているのだな? 
そう聞かれたら、正直に「いいえ」と答えよう。
ご存知のように、コロナと闘ってくれている医療従事者の間では重宝されるPM2.5マスクは、一時期すごいプレミアム価格がつくほどの品薄状態になった。
だが、あまりにも密閉性が高くて息苦しいので、一般人が日常的に使うマスクとしては不向きだということもすぐ明らかにされた。
僕も普通のマスクが手に入らなくなったときに数回使ってはみたものの、あまりにも辛くて、またそっと防災用リュックの中に戻したのだ。

で、でも!
もし万が一、これからコロナ以上の恐ろしいウイルスが現れたら。
万が一、火山という火山が大爆発して日本中に火山灰が降り注いだら。
万が一、突然変異した未知の植物が、スギの100倍もの威力を持つ花粉を飛ばしはじめたら。
そんなSF的ディストピアに備え、やっぱりPM2.5マスクは大事に保管しておこうと思っている。

市販のマスクを少しカスタムするだけで、運動時に最適のマスクが完成した

いまの僕は、不織布マスクと布マスクをランダムに使っている。
また、運動時に使おうと思い、ワークマンでチューブ状の冷感素材ネックゲイターというものも買った。
だがこれは結局、あまり活用していない。
普通のマスク以上に肌に密着するので、口を使って大きく呼吸する運動時には、口や鼻の穴にはりついて非常に苦しかったからだ。

それで、運動時専用にと思って、また新たな一枚を購入した。
ネックゲイターと同様、薄い素材のチューブ状マスクだが、耳にかけて支える形状なので、それほど肌に密着しない。
鼻から下はダランとぶら下げる形なので、運動して呼吸が荒くなっても苦しくはないはずだ。

さっそく、趣味の剣道の稽古時に試してみた。
思った通り、悪くはない。
でも問題がひとつ。
あごから下の部分が長すぎるので、覆われた首回りが熱くなるとともに、吐き出した息がこもりがちになるのだ。
同じような構造でもっと短いものも探してみたのだが、なかなか見つからない。

帯に短し、たすきに何とやら。マスクの世界も難しい。
考えあぐねた僕は、このマスクの下半分弱を、ハサミでチョッキンと切り落としてみた。
そしたら、まあなんということでしょう。
とてもいい感じなのだ。
息苦しさはまったくないし、きちんと飛沫防止もできる。

しばらくはこちらを試してみようと思います。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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