そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。
2020.7.2
ワークマンで見つけた運動時のマスク代わり“ネックゲイター”が最高!
僕の趣味は剣道である。
先日、約3ヶ月ぶりに道場で汗を流した。
剣道というのは、互いに大きな掛け声を出しながらやるものなので、非常に飛沫が飛びやすい。
実際、4月には愛知県警の剣道場でクラスターが発生してニュースになった。
コロナの感染拡大を危惧した全日本剣道連盟は、全国の学校や道場に稽古の自粛を呼びかけたが、6月に入り、一定の条件つきで解除された。
しかしその条件はけっこう厳しく、必ずマスクをして剣道しましょうということになっている。
今回の久しぶりの剣道は、剣道具を着用した対人稽古はまだ検討中ということで、素振りや足さばきといった基本錬成のみだった。
それでも普通の不織布マスクをつけてやってみたら、「あ、これはやばい」と感じる瞬間があった。
ちばてつや作『おれは鉄兵』に出てくる東大寺学園の特訓を思い出したほどだ(ここ、ピンとこない人はスルーしてください)。
人間は激しい運動中、口を使って大きく呼吸することで酸素を取り入れるとともに、涼しい空気で体の熱を冷ましている。
熱がこもる普通のマスクではそれがままならないので、だんだん頭のあたりが熱くなってくるのが分かった。
これでは熱中症になりかねない。
急遽、対策を練ることにした。

とにかく抜群の冷感機能。装着中、冷たさがずっと持続する
ランニングやジョギングをやる人向けに、山中伸弥教授が推奨した“バフ”というものが普及していることは知っていた。
バフ(BUFF)というのはスペインのブランド。
マスクとして口元を覆う以外にも、ヘッドバンドやネッカチーフ、リストバンドなど、10通り以上の使い方ができる継ぎ目のないチューブ状の布で、トップアスリートにも支持されているのだとか。
最初はこのバフを買おうかと思ったのだが、きっとあそこにもいいのがあるはず、と思って出かけてみた。
当世もっとも勢いがあり、信頼感抜群のワークマンだ。
そしたら、やっぱりありました。
ワークマンが労働現場で培った技術を投入したアウトドア&スポーツギアのブランド、フィールドコアの“ネックゲイター”だ。
バフと同様、単純な筒状の布で、首・頭・腕など体のどこにでも巻くことができ、もちろん口元を覆えばマスクになる。
ネットで見るとバフは3,000円弱の値段だが、ワークマンのネックゲイターは税込み780円だった。
さすが、としか言いようがない。
このネックゲイターが素晴らしいのは、国際的検査機関からも高い評価を受けているcoolcore®という高機能素材が使われている点だ。
一般的なスポーツウェアに使われる冷感素材は“接触冷感”といって、もっとも冷たく感じるのは最初に肌に触れたときで、あとは徐々にぬるくなっていく。
一方、coolcore®は気化熱を利用して冷却する仕組み。
水でもお湯でも汗でもいいのでとにかく濡れてさえいれば冷却効果が持続し、表面温度はポリエステルなどを使った他の一般的な生地に比べ、最大マイナス10度にもなるらしい。
実際に水で濡らして首に巻いてみたら、想像以上の冷感がずっと続いた。
バフと同様、マスクだけではなく帽子としてもネッカチーフとしても使える。
人と接触するときはマスクをするのが今の世界の新常識だけど、運動中はいつもそういうわけではないからね。
必要な場面ではさっと口元を覆ってマスクにし、人と相対しないときは頭にかぶったり首に巻いたりして、ひんやり涼めばいいのだ。
使ってみて、「これはいい」と思ったことがさらにもうひとつ。
そもそも濡らして使うものなのだから、洗ったあと乾くまで待つ必要がないのだ。
じゃぶじゃぶっと手洗いしたら、濡れたまま持って出かけることができる。
今年の夏はこれ一本で乗り切ろうと思ったので、様々な色柄のバリエーションの中から、一番つぶしの効く黒を選択した。
これなら、冠婚葬祭だってOKなんじゃない!?
と、思って口元に装着してみたら、まるでテロリストだ。
まあ、いいか。
冠婚葬祭は無理だけど。
