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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

キウイフルーツ会社・ゼスプリのバケツが欲しくてたまらない

世の中が非常事態に陥っているときは、テレビのCMが様変わりする。
言わずと知れたことだが、経済活動の停滞と世間のムードを考慮し、企業が出広を差し控えるからだ。
東日本大震災のあとは企業CMがほぼ壊滅状態となり、ACジャパン(公共広告機構)のCMばかりになった。
今回のコロナ禍はそこまでではないが、日本民間放送連盟による放送番組の違法配信撲滅キャンペーンCM「違法だよ! あげるくん」など、特定のCMばかりが目立つ状況になっている。

我が家では、小6の娘と僕の間で、「あげるくん」ごっこがにわかに流行っている。
僕「宿題済ませる前にゲームやるのは、違法って言ったよね?」
娘「でも私はゲームがしたいのでーす」
僕「捕まるよ、マジで」
娘「ママにばれなきゃいいんじゃなーい」
僕「バレるから。それがママだから」
という感じだ。

車のトランクに放り込んでおけば、いろいろと便利な手頃サイズのバケツ

CM枠が埋まらず、また普段と比べて広告料金が格安になっているからであろう。これまであまりなじみがなかった企業の長尺CMが、繰り返し流れるようにもなる。
ニュージーランドに拠点を置くキウイフルーツの生産・販売会社、ゼスプリのCMもそうだ。

果肉の色が緑・黄という違いはあるものの、そっくりな風体をした二人のキウイフルーツキャラクター(“キウイブラザーズ”というらしい)が、いろいろなことにチャレンジするクレイアニメのCMだが、汗をダラダラ流し、野太い声で絶叫しながら全力投球するブラザーズの様がなかなか面白くて、目が釘付けになってしまう。
ゼスプリのHPで確認してみたら、緑の方は「グリーン」という名で、性格は真面目で正義感の強いしっかり者。
黄色い「ゴールド」の方は、陽気でのんきな甘えん坊なのだそうだ。
ニュージーランドの農園ですくすく育った彼らは、この非常事態宣言下の日本のテレビにしきりと登場し、お茶の間に急浸透した。

前からキウイフルーツ好きの我が家は、ここのところCMに乗せられてゼスプリを選ぶことが多くなった。
そして、ゼスプリを選ぶ理由がもうひとつ。
10個まとめ買いをするとついてくる、可愛いバケツが欲しいからだ。
このバケツはゼスプリの売りのひとつで、時期によってデザインや色の違うバケツが出てくるらしく、集めているマニアもいるのだとか。

キウイを食べ終わって空いたバケツは、車のトランクに入れておくようにしている。
前に本コラムで書いたように、僕には石ころや松ぼっくりなどの自然の造形物を収集する趣味がある。
その際、拾ったものを持ち帰るのにちょうどいい大きさなのだ。
違うバージョンが出たら、これからは漏れなく集めることになるのだろうな。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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