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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

スマホスタンド機能がついたセリアのカード型マルチツールが買い

100均のセリアを定期パトロールしていたら、とてもいいものを見つけた。
カードサイズのマルチツールプレートだ。
最近、この手のカード型マルチツールは100均各社から出ていて、どれも人気のようだが、このセリア製は特に優れものなのではないかと思う。

プラスチック製のケースとスチール製の本体部で構成されているこちら。
本体の方は、①オープナー(ビンの栓や缶のプルトップが開けられる)、②レンチ(ボルトのサイズ4種類に対応)、③マイナスドライバー(そこまで鋭くないけど一応精密ドライバー)、④定規(4cm分)という機能。
そしてプラスチックケースの方には、スマホスタンド機能がある。

僕が「おっ」と思ったのはこのスマホスタンド機能だ。
前に本コラムで書いたが、僕は最近、外で仕事をしたい日でもなるべくPCやiPadは持ち出さず、スマホと折り畳みキーボードだけという身軽スタイルをとっている。

スマホケースもシンプルなものを使っているので、スタンド機能はない。
すると、カフェなどでちょっと原稿を書こうと思ったとき、いちいちスマホを立てるものを探さなければならない。
おしぼりなんかに立てかけることが多いんだけど、だいたい角度が足りなくて、やっぱりスマホスタンド的なものがあれば便利ではあるなあと常々思っていたのだ。

必要なのかと家族に問われるマルチツールだが、男なら持っていたいでしょ?

でも“できるだけ身軽に出歩くキャンペーン”中なので、新たにスマホスタンドを荷物に加えるのはイヤだ。
かといって手帳型やスタンド付きのスマホケースも性に合わない。
まあ、おしぼりでいいやと思っていたのだが。
この、財布に入れられるカード型マルチツールのおまけ機能としてのスマホスタンドなら、荷物が増えたことにはならぬのではなかろうか。

こりゃいいもの見つけた、嬉しいなーと思って、ためつすがめつ。
財布に入れたり出したりしながら、妻にも自慢したらこんなことを言われた。
「スマホスタンドはいいとして、そもそもそういうマルチツールって使う機会ある?」

ば、馬鹿なことを言うな。
つ、使うに決まっているじゃないか。
外出先でメガネのネジが緩んだときとか、爪が短くてプルトップを開けにくいときとか、ボルトが緩んで自転車のサドルが外れそうになっちゃったときとか。
4cm定規だって、えーっと、えーっと。見つけた虫のサイズを測るときとか。

まあ、そういうことだ。必要なんだ、マルチツールが‼︎
と、心の中で強く叫び、財布の中に忍ばせて2週間が経ちますが、まだ一度も使っていません。
いいのだ。持ってるだけで満足なのだ。
男とはそういうものなのだ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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