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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

大好きだった駄菓子、モロッコヨーグルの10倍サイズを食べてみた

2012年に発売された米津玄師のファーストアルバム『diorama』の中に「駄菓子屋商売」という曲がある。
難解で意味不明な歌詞だが、言葉のリズム感がとても気持ちいい曲だ。

まあそれは置いといて。

駄菓子屋というのはいくら繁盛していても、成立させにくい商売らしい。
ほとんどの商品が10円、20円という価格なうえに客は小学生。
本来であれば転嫁しなければならない消費税をつけにくく、売上にかかる税金を店がかぶる場合が多い。だから、いくら売れても利益を上げにくいのだそうだ。

実際、消費税が徐々に上がってきた頃から、店を閉じる駄菓子屋が増えた。
このご時世でも続けている町の駄菓子屋さんの多くは大家業など他の収入源があり、ほとんど趣味か慈善事業でやっているのだとか。

と、ここまで、どっかで聞きかじった話をうろ覚えで書いているのでノーエビデンスですけど、確かにそうなんだろうなあと思う。

謎の食べ物・モロッコヨーグルの正体とは

我が家の近所にも昔ながらの駄菓子屋さんがあり、僕の小6の娘は常連客。
たまに付き合いというかお財布係としてついていくことがあるけど、上記のような話を知っていると、お店のおばあちゃんを尊敬の目で見てしまう。

店の棚に目を移すと、今度は「駄菓子ってすげーな」と感心する。
僕が小学生だった何十年も前と、品揃えがほとんど変わっていないからだ。
モロッコヨーグルもそのひとつ。昔っからあるコレ、僕は大好きだった。

なんで“モロッコ”なの? どうして“ヨーグルト”ではなく“ヨーグル”? パッケージの象は何? といった謎の数々は、ググったらすぐに正解が出てくるので、興味ある人はどうぞ。
僕が紹介したいのはそこじゃなくって、モロッコヨーグルに特大サイズがあるという事実だ。

レギュラーバージョンのモロッコヨーグルは内容量6g、価格20円だが、ジャンボヨーグルは62gの200円。
10個分のヨーグルが詰まった夢のような商品なのだ。
だって子供の頃、ひとつじゃ物足りなかったでしょ? そんなことない? 
僕はそうだった。

だから、ドンキで見かけて即買いしました。
家に帰ってさっそく食べてみる。
一さじめ……ああー、うまい! 甘くて酸っぱい! 最高!
二さじめ……うまいよ、本当に。幸せだ。
三さじめ……あれ? うんうん。そうか
四さじめ……ふう、胸が焼けるようだ。もういらん。
全体の2割も食べられなかった。あれは、6gだからうまいんだね。

ちなみにヨーグルの正体は乳製品ではなく、原材料の主成分はグラニュー糖とショートニング。
つまりヨーグルトは風味だけで、甘みのついた植物油の塊なのだ。
そんなもの62gも食えるか!
でもヨーグルはパンに塗って食べると美味しいらしく、メーカー側はそんな声に応えてジャンボサイズをつくったのだとか。
つまり、パクパク食べるようなものじゃないのだ。

と思っていたら、羨望のまなこで僕を見ていた娘が、残りをあっという間に食べてしまった。
一度でいいから、モロッコヨーグルを思う存分食べたかったのだそうだ。
もっと食べられると言っている。
小学生ってすごいね。50歳のおじさんにはとても無理だ。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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