2019.10.3
こんなにもおいしくて美しい氷菓子があったとは! 老舗洋菓子店の究極アイス〜ポアール・デ・ロワ 銀座〜
この氷のお菓子に出逢えたことは、食の神様が私についているということの証に違いない!
そのお菓子とは……アイスなのです。
アイテムやカテゴリー分けするのにアイスと表現するしかないので仕方なくこう呼びますが、これはアイスであってアイスにあらず。
何か新語を作りたいくらい、アイスクリームでもシャーベットでもない独特の食感。
そして本物の食材を超える味わい。
こんなにもおいしくて美しい氷のお菓子があったとは!
どうですか、この上品な佇まい。
派手な飾りは一切なし。
限りなくシンプル、ですが間違いなくおいしいと思わせる風格があります。
冷凍庫から出し、室温で5分ほど待ち、表面が溶け始めるまでは手をつけてはいけません。だってこの最高のお菓子は最高の状態でいただきたいからです。
そろそろいいかなとスプーンですくうと、まだ中は凍っているらしく、シャリシャリッという音がする。
まだ早かったか……でもひと口目はこのくらいでもいいかも。
口にする。
フワ〜っと完熟したオレンジの香りが一気に広がり、シルクのようになめらかな舌触りの後に、かくし味のリキュールが追うように一瞬香る。
「え、何がどうしてどうなった?」
人間、予想を超えたおいしさに出逢うと分析力が停止してしまうものですね。
頭と舌だけが本能というか直感というか、本当に単純に感動で震えている感じ。
そして“とんでもなくおいしい”という記憶となって残るのです。
いやいや、分析力が停止している場合ではない。
ライターとして生きている以上、きちんとわかるように表現しなければ。
冷静になってからもうひと口、ふた口といただいてみる。
おいしすぎる!!!
まるでオレンジそのもの、いや、本物のオレンジを超えているではないか。
どうやったらこんな傑作が生まれたのでしょうか。