2019.7.4
神楽坂芸者の元置屋で1ヶ月に3日間だけ営業する極上フレンチ〜MAISON DE TSUYUKI〜
こちらは、カラダに良いものしか入っていないけど、ジャンキーな香りのするイケナイやつです。
まず皮が別格。
ソフトだけどたっぷりのお肉とお野菜を支えるだけの大きさと力強さもある。メキシコで見つけたそうですが、こういったレベルの高い食材を手に入れられるのも世界を旅しているからなのです。
味?
最高級のナンプラーで仕上げたやわらかい和牛のうまみからのカイワレがピリッと効いたと思ったら、マスタードやらサルサソースやらが次々と押し寄せる。
おいしいに決まっているじゃないですか。
フレンチラックの表面にイギリスの「ikoyi」(ミシュラン一つ星を獲り、いまいちばん注目の的の西アフリカ料理レストラン)のスパイスミックスを塗っている。
これは村上さんが昨年の11月にシェフのジェレミー・チェン氏と仕事をした時に「千砂、どうしてもプレゼントしたいスパイスがあるんだ」といただいたもの。
複雑味があるけれど、単にピリッとするのではなく羊に馴染んで風味が豊かになる。
こんなスパイスがこの世にあるとは!
「お店をやっているというのは私たちの強みです。世界にあふれているおいしいものが手に入りやすい。スパイスとハーブはツユキにとって最大のテーマ。これからも探し続けます」と。
そうなのです。麻婆豆腐もカレーも香りじゃなく、食べてみて「ん? これ何の味? え、何、何?」と、味がどんどん広がってくるのです。
「強い香りで周りに影響を与えるのではなく口の中で変化するのがスパイス。だから私たちは試作する時、出来上がった料理をしばらく放置して香りを確かめます」と村上さん。