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神楽坂芸者の元置屋で1ヶ月に3日間だけ営業する極上フレンチ〜MAISON DE TSUYUKI〜

「綾子さんに聞けば間違いない!」――美味なレストランも気の利いた手土産もとびきりのお取り寄せも、おいしいものには死ぬほどうるさいギョーカイのみんなが頼りにするのが、フードパブリシスト高橋綾子のグルメ手帖。誰もがうなる美味の数々を惜しげもなく公開します!

唯一無二ってこういうことなのでしょうね。
何といっても、月に3日しかやっていないお店ってそうそうありませんよ。
世界を旅しておいしい食材や調理法をモノにした2人のシェフが神楽坂へ帰ってくると、「MAISON DE TSUYUKI」の暖簾がかかるのです。

神楽坂らしい風情のある佇まいに心惹かれます
神楽坂らしい風情のある佇まいに心惹かれます

このお店にいる2人のシェフ、村上千砂さんと花野敬子さんが作るのは“フランコジャポネ”。
フランス料理と日本料理をベースに、世界を旅して得たものをうま〜くミックスした、どこにもない料理なのです。

村上さんはアジアを軸に、花野さんはフランスを中心に世界を巡り、現地でしか得ることのできない食材や調理法、情報をこれでもかってくらい持ち帰ってきます。それをここで集結させ、新しい料理を生み出し、3日間だけお披露目してくれるのです。

そういう料理ですから食べた人はそりゃあ、みんな虜になりますよ。なので当然予約は困難でして、プラチナを超えたブラックシート。
それでも営業日を増やすことはしないのです。
なぜなら彼女たちにはシェフとは別にもうひとつの顔があるから。
そのお話は後に触れるとして、まずは彼女たちが作る“ハマる”料理をご紹介します。

添え物だったピクルスをご馳走にしてしまう、このセンスがたまらないのです
添え物だったピクルスをご馳走にしてしまう、このセンスがたまらないのです

黄色いソースはペルーの果物「ルクマ」を使ったオリジナル。
ペルーではアイスクリームとかスイーツに使うそうだけど、2人は粉末にしたルクマにアヒ(ペルーの唐辛子)、ナンプラー、白味噌をフォンドブッフで溶かし、あえてソースにしてしまう。
かぼちゃペーストみたいな味で酸味の効いたピクルスにぶつけてみたら、箸休めにちょうど良い。これならピクルスをたくさん食べられるからひと品にできるね、って。
メニューはこんな感じで作られます。

この発想から完成された料理が、見目麗しい「ピクルス・ア・ラ・モード」。タダモノではない漬け汁を何種類も使い、スイカの皮までもおいしくしてしまいました。
甘めのルクマソースが合う!
さらに言うとタンドリーチキンが良い感じの存在でホントあっぱれ!なひと皿です。

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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