2019.5.30
神のような三田牛の美味格上げに全力を注ぐフランス帰りの料理人〜三田牛焼肉 里山 by ウェスタ〜
メインは肉の三段構え。
ウラミスジはこごみとたらの芽と一緒に。タン元は乾燥した粒マスタードを茹でてくるみ油とエシャロットと和えて。
ものすごいインパクトだったのは三田牛の肩甲骨をお皿にしたハラミの炭火焼。肉のジュをかけたケールと共にいただきます。
中から脂が弾けて肉に広がっている感じでかみ疲れない肉質は、本当にハラミなのかと疑うほど。三田牛のポテンシャルに驚かされます。
〆ごはんは雪椿のお米を、テールと昆布の出汁に梅干しで味を整えたスープかけごはん。
おまけはハラミで作ったカレー。
どう考えても和食なんですけどって言うと、そういう意識はないと答える中村さん。
こごみとかたらの芽とか昆布とか、使ったことないから使いたくて仕方ないんですって。何かフランス人のシェフが同じようなこと言ってたな。
そうか日本のレストランで働いたことがないままフランスに行ったから、感覚がフランス人なのね。
「日本の食材をもっと知りたいって欲ですね。むしろフォアグラとかまったく使いたくないです。単純に三田牛をどうやったらおいしく食べてもらえるかだけを考えています」と。
だからジャンルにもこだわらないし、フランス料理に落とし込んでいくつもりもないそう。これは相当、三田牛の虜になっているな。
三田牛は姉妹店である日本橋の「ウェスタ」でもいただけます。特注の竃と熟練の焼き職人は焼き上がりをいかようにでも操作できてしまい、とんでもなくおいしいお肉になります。お肉だけじゃありません。
ベルーガキャビアやトゲトリガニ、ウニ、徳谷トマトなど最高級食材が勢揃い。なのでお値段もそれ相当、決して可愛くはないです。おいそれとはお伺いできないなぁと思っていたので、その潮流を継ぎながらも少しリーズナブルなここ、里山はとってもありがたい存在。
それに内臓までも勢戸さんの三田牛であるなんて肉好きが泣いて喜ぶ常識破り。
「三田牛の魅力は脂です。肉の味も香りも十分なのですが、まろやかな脂の甘みは他にはないです」と力説。
その神のようなお肉に、持てる力すべてを注いでおいしくしてくれる中村さんの料理は日々進化し続けています。