2019.5.23
苦手だった韓国料理を“大好き”に変えてくれた、ものスゴイ参鶏湯〜韓国食堂 入ル 坂上ル〜
こちらの料理はすべて朴さんのレシピ、と言っても、書いたレシピを渡されたのではなく、作るのを見て味を知って覚えてきたんですって。
朴さんの味を守るにはその日の食材の状態や気温によってさじ加減を変えなければならない。
それは何が何gとか数値では管理できないことだそうで、子供の頃からずっと母の料理を食べている山崎さんの舌で、味の継承をしています。
そして今、恵比寿のお店を任されているのが小林さん。
彼女は朴さんと山崎さんから“味”を受け継ぎました。
修業時代に醤油お玉半分とかレシピはもちろんメモしているけれど、その通りに作っても同じ味にならないそう。
だから自分の舌で記憶する。
味がブレないように定期的に大阪に行って朴さんの味を確かめているそうです。
いつも頼むのは7,000円の「参鶏湯 フルコース」。
前菜が10〜12種類、ケジャン(極上の味)、プルコギ、自家製蒸し豚(超絶品)、アワビ粥(ヤバうま)、そして参鶏湯とおいしいもの尽くし!
相当お腹いっぱいになるので前菜を残すように言われます。
日本人は残さず食べるのが礼儀ですが、韓国では前菜は残すものだから気にしなくて良いそうです。
むしろ残すくらいお腹いっぱいにしてあげられたことが良しとされるんですって。
ホント勉強になるなぁ。
こちらで絶対に食べるべきものがもうひとつあります。
それがこの「活けワタリガニのケジャン」。
ケジャンには醤油ベースのタレで漬けるカンジャンケジャンと、こちらのように唐辛子ベースのタレで漬けるヤンニョムケジャンがあります。
このねっとりとした甘さはボタンエビの10倍くらいです。
マジで上海蟹よりおいしいんじゃないの?
さらに言うと、漬けたら2日間しか出さない!
1日目はカニ本来の味が際立ち、2日目は唐辛子と馴染んでやわらかくなった(1日目だって相当やわらかいですが)カニになるそうで、常連さんは何日目のカニがあるか確認して予約するそうです。
実はケジャンに使うカニは冷凍モノが多い。
死んでいるカニだから生臭くなる。
前述したトラウマのケジャンはこれが原因だったことを山崎さんに教えてもらいました。
でもこちらは生きたカニに徹底してこだわっているから臭みなんて皆無!
しかし、東京では活きワタリガニを仕入れることが難しい。
考えた末、お抱えの業者さんに生簀を置かせてもらい、獲れたらその中で泳がして安定供給を目指すことにしたのです。あっぱれです!
でもこれだけのおいしさ故に誰もが食べてしまうので売り切れ御免になることもあるそうで、はい、予約必須料理です。
本場に行ってもピンとこなかった私がこの参鶏湯コースによって韓国料理、開眼いたしました!
ぜひこのおいしさをみなさまにもわかってもらいたいです。
「とにかく韓国食堂入ルを日本の参鶏湯の聖地にしたいねん!」と頑張っている山崎さんとスタッフのみなさん。心からおいしいと思う母の味、日本だけにとどまらず世界の聖地になるのも夢じゃないかも!
最後にこのお店で必食なものを書いて締めとさせていただきます。
1) 韓国味一の参鶏湯
2) 活けワタリガニのケジャン
3) 自家製韓国海苔の佃煮
4) ボクスンドゥガという発泡マッコリ