2019.3.21
銀座に日常使いしたい「ご近所ごはん」なお店があるなんて! 〜せろ〜
鴨はぷりっとした弾力がありながらもしっとりとやわらかく、野性味もしっかり感じます。
う〜ん、良い焼き加減。
食堂みたいに使って欲しいとのことから基本はアラカルト。
ひと皿は2人で分けるとちょうど良い量です。
もちろんひとりの場合は少なくしてくれるしお値段も半分になります。いろいろ食べたいって人には「おまかせ7品(7,000円)」をオススメします。
アラカルトもおまかせも〆は炊き込みご飯とお味噌汁。
鍋の蓋をとると、絶対に歓声があがりますよね。
見てください!
このうすい豆の青々とした美しい色と、ビッグなヤリイカが所狭しと横たわったビジュアルを。
これなら何杯でもいけそう!
実際3杯いった。
それにしても日本料理をやっていてオーストラリアに行くって珍しいですよね。
そこを突っ込んで訊いてみると、若い頃からとにかく海外に行く方法を考えていたそうで、はじめは習っていた空手で道場を開こうかと思ったけど、残念ながら実力が伴わず断念。
じゃ、料理ならどうかと始めたら、これが凄腕だったという嘘みたいな本当のお話なのです。
家でも他のお店でも食べられるような料理は作りたくないとおっしゃいますが、ご覧の通り奇をてらった料理ではなくベースはあくまでも和食。
そこに伊藤さんがちょっとした味の魔法をかけると、あら不思議、ここにしかない味覚が生まれるのです。
さらに言うと、その魔法は小難しいものではなく伊藤さんの日常の閃きなので、気負いがなく、食べていて疲れない。
ほら、たまにあるでしょ、頑張っちゃった感がすごい料理って。食べる方が緊張してしまうのよね、そういうのって。
もしかして直感でできちゃう天才肌? と訊くと、「いやいや天才じゃないですよ。まぁ、試行錯誤もしますけど、直感というか……、何となくできた」って、いちばんライター泣かせな答え。
それを天才肌って世の中では言うのですよ。
メニューを作る時はどうやったらこの食材がおいしくなるかしか考えてないんですって。
食材愛たっぷりの伊藤さんの料理は、銀座なのに“ご近所ごはん”な感じがして、また食べたくなるのです。