2020.9.27
恐竜と鳥はワニの子孫? 「ワニの鳴き声」が教えてくれること
ワニの種類は3科25種
ではワニは?
まず、現生のワニは、アリゲーター科、クロコダイル科、ガビアル科の大きく3つに分けられます。
ガビアル科は口が棒のように細長く、変わった姿をしていますが、学者によってはクロコダイル科に含めることもあります。
和英辞典で、ワニを引くと、alligatorとcrocodileの2つにあたるのはこのためです。
見分け方としては、口を閉じたときに、4番目の下の歯がはみ出しているのがクロコダイル科、下の歯が一本もはみ出さないのがアリゲーター科です。
動物園水族館などでぜひご確認を。
さらに、「THE REPTILE DATABASE」(爬虫類に関する科学情報をまとめたデータベース)によれば、ワニの種類は現在25種。
鳥よりはるかに種数は少ないですが、鳥に負けじとさまざまな声を出します。
特に、アメリカ東南部の沼地などに生息するアメリカアリゲーター、別名ミシシッピワニは音声レパートリーが豊富です。
ワニはどう鳴く?
ワニの鳴き方は、顔を水面から高く突き出し、背中が水面から出るくらい丸めて大きく息を吸い込み、すこし間をあけて背中を水中に、呼気とともにうなり声をあげる。その後、また背中を丸めて大きく息を吸い込み、うなり声をあげる。
オス、メス共にこれを繰り返します。
背中を沈めてうなり声をあげるので、その音の震えが体から水へと伝わり、水面には無数の水滴が!
この様子から、ウォーター・ダンスとかレイン・ダンスとか呼ばれることもあります。
そしてこれを繰り返しているうちに近くのほかのワニたちも加わって合唱に変わってゆきます。
このうなり声は、私には「カロロロロロ…」と聴こえ、どこかで聴いたようなと思ったら、映画『ジュラシックパーク』(1993年)のティラノサウルス登場シーンの鳴き声と同じでした。
同映画のティラノサウルスの鳴き声にはワニの声も合成されていたそうです。
さて、そうやって繁殖期には、集まったワニたちによって10~30分の合唱が朝から晩まで続くそうです。
そして、求愛行動のときには、雌雄がお互いに、咳払いのような小さな声で鳴き交わしをします。
オス同士は、大きく開けた口を閉じることで水面を叩く、ヘッド・スラッピングという行動でも反応し合います。
求愛以外でも、たとえば仔ワニは危険が迫ったときに甲高い声を発します。そうすると、近くにいる親以外のおとなワニもやってきて外敵を追い払うのです。
また、孵化直前も鳴き声を出すことで、親を呼び、殻を取ってもらったり、水辺まで口にくわえて運んでもらったりします。
この習性を利用して、ワニの巣に卵を産みつけるカメがいるほどです。まさにガーディアンドラゴン!