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「自由に生きたいから」2000万円で会社設立した理系女子大生がそれでも歌舞伎町で働く理由

カネになるセックスをした方がいい

二人目の弟も生まれ、幼い兄弟たちから“お父さん”を取り上げちゃいけないと、義父からの性的虐待に耐え続けたリカさん。

オンラインゲームで知り合った24歳の彼氏が心のシェルターのような存在でしたが、その安寧のときも長くは続きませんでした。
彼は、「好きな人ができた」とリカさんに別れを告げたあと、自殺してしまったのです。

「私を傷つけないように、自分が悪者になって、やさしい嘘をついて別れてくれていたんです。それで高三になって、彼がそこまでして願ってくれたんだから、私も幸せにならなきゃと思って……」
彼女が選んだ解決法は、色々な相手と体の関係を持つことでした。

水商売の仕事ができる年齢の18歳になったリカさんは、「どうせもう汚れてるからいいや。だったらカネになるセックスをした方がいいって……」と、歌舞伎町の街へ。援助交際もしていました。

一方で大学受験も控えていたある日。母親から、またしても信じられない言葉を投げつけられる出来事が起きたのです。

「高三の大晦日に、理不尽なことで母親に怒られたんですね。そのとき頭に血が上って、つい『あんたの再婚相手に私がやられてるのわかってないでしょ』って言ってしまったんです。言葉にした瞬間、あ、もう、一度口に出したことは戻せないな、って思いました。母からは『どういうこと?』って問い詰められて、これまであったことを全部話しました。もう母は半狂乱ですよ。一度は一家離散になりかけましたけど、結局、母は義父と別れられなかったんです。それで私が母から『あんたが拒否しなかったのが悪い』って責められました。それ以降はなにかある毎に、『あんたはなんでも私のものを盗るからね。男でもなんでも』って言われるようになったんです」

「死にたい」じゃなくて「あ、死の」って思った

大学入学後は歌舞伎町に入り浸り、渋谷のホテヘルでも勤めるようになったリカさん。
しかしある日「おカネがあっても虚無感しかないことに気付いて」風俗嬢はやめ、水商売の世界に入ります。
顔や肉体だけでなく、飲んで喋れるという人間性で判断してもらえるから、という思いからでした。

義父からは、家族に全てが明らかになった際、「お前の人生をめちゃくちゃにしちゃったよ」と謝罪の言葉がありました。
そして、リカさんが大学受験に成功してから、義父からの性的虐待は止んで、今も一つ屋根の下で不思議な関係が続いています。
同性としての嫉妬心や敵意をむき出しにしてくる母親より、幼い弟たちより、リカさんにとって義父が「家族のなかでいちばん話しやすいかもって感じる」存在だというのです。

だからといって、彼女が家族から受けた傷が消えるわけではありません。

リカさんは数ヶ月前に「人生最大」の自殺未遂をしたことを告白しました。

「手元にあった薬を全部飲んじゃって、三十五時間昏睡して、それから一回目覚めて、風呂に入って、それからまた四十八時間眠ってました」

「いつもは『死にたい』なんです。だけど、あのときだけは『あ、死の』と思って、いつの間にかそうしてたんですよね」

* * *
以上、「歌舞伎町で働く理系女子大生・リカ」の告白、前半のダイジェストでした。
連載後半は婚約者ができたリカのその後が語られます。
彼女の生活と心境には大きな変化があったようで……。
詳しくは、どうぞ本編でご確認ください。

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