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『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』で大反響! 発達障害女性がつきあってはいけない男性像とは? 

『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』で大反響! 発達障害女性がつきあってはいけない男性像とは? 

コロナ禍での風俗業界の危険な現状

 前回の冒頭でも述べたが、エリカさんの仕事は風俗嬢だ。以前はデリヘルやライブチャットで働いていたが、現在はエステ店を中心に働いている。

「お客さんとイチャイチャすることに全く抵抗がないと言えば嘘になります。たまにちょっと嫌だなと思うお客さんもいます。ただ、プレイ中によほど私の嫌なことやお店の禁止事項を強要してくる人でない限りは大丈夫です。
 コロナ禍で収入は確実に減りました。1日に一人もお客さんがつかないこともあります。
 コロナの影響と言えば……今、都内の飲食店では基本的にお酒の提供が禁じられています。そのためか、店舗や、デリバリーでお客さんの自宅を訪れた際に、お酒を出されることが増えています。店舗に缶などのお酒を持ってこられたときは『仕事中は飲めないので』と、お客様用に常備しているお茶で乾杯しているのですが、デリバリーでお客さんの家に行ったとき、ジュースらしき飲み物をグラスで出されたんです。一口飲むと異様に濃くて、『酎ハイだよ』と当然のように一緒に飲むことを勧められました。それ以上は飲まないようにしましたが、お客さんはガブガブ飲んで酔っぱらい、無理やり押し倒そうとしてきました。このお客さんのことはお店のスタッフさんに言って出禁にしてもらいましたが、今風俗店ではお酒を飲ませようとするお客さんが増えているので、同業の女の子たちには注意してもらいたいです」

 中にはお酒に睡眠薬などを混入する悪質な客もいないとは言い切れない。コロナにより飲食店で飲酒できないことが風俗店にまで影響しているとは、衝撃の事実だった。

 インタビューを通して、エリカさんの口からはボロボロと発達障害女子ならではの恋愛での苦しさがこぼれ落ちてきた。32歳という年齢と常に彼氏がいるという状況から身をもって学習した、付き合ってはいけない男性像。良い人と巡り会えてそれまでの生きづらさから解放されたという発達障害女子の話もよく聞くが、その陰で、エリカさんのように自分を不幸にする男性に振り回され傷つけられている発達障害女子の存在はあまり認知されていない。彼女たちの声は「ダメ女」と一蹴されてしまうことがほとんどだからだ。

発達障害を描いた漫画などでは「理解のあるパートナー」に恵まれて幸せになる展開がよくみられるものの、実際はそんな人には簡単にはめぐり会えない……。
エリカさんのように、身をもってそのことを感じている女性は多いのではないでしょうか。

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集英社 価格 1,100円(10%税込)
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嘘をつけない、空気を読めない、移り気、言われたことをそのまま信じてしまう……。
発達障害の特性によって、恋愛というクローズドな関係性において問題を抱えてしまう女性たち。
セフレ、二股、ヒモ、ホス狂い……彼女たちが「ダメ恋」にはまってしまうのはなぜなのか。
一見「モテ」ている彼女たちが直面している、セクハラ、モラハラ、DV被害の数々が明らかに。
『私たちは生きづらさを抱えている』『発達障害グレーゾーン』などの著書があり、自身も発達障害当事者のライター・姫野桂さんが、10人の発達障害女性の恋愛事情に迫ったよみタイの人気連載が、電子オリジナル書籍として配信開始!

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※本作は電子書籍のみでお読みいただける電子オリジナル作品です。

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新刊紹介

姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。

Twitter @himeno_kei

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