自分で自分の温度を上げてみる

川村　でも、私のことを気になってくれる人って、私のことを「いじりたい人」なんですよね……。Ｓというか。いじりたいと思ってくる相手をいじるにはどうしたらいいのでしょうか。

しいたけ.　Ｓに対抗するために、こちらもＳになる必要はないんです。
　今の川村さんは土の温度で言うと20度くらいなんですね。それを40度くらいに自分で上げてあげる。「よくやったね」とか「お疲れ様」とか、神父さんやシスターになったような気持ちで、自分に声をかけてあげるんです。そうすると土が温まって、Ｓの人が驚くような反応を自然にできるようになってきます。
　カラーが茶色の人って、みんなで飲み会をしている時に、席の一番端から二番目くらいに座って、じーっと様子を伺っている人みたいなイメージです。それを、意識して自分で自分の温度を上げていくようにすると、もうちょっと真ん中の方に来られるようになってきます。

川村　わかります～！　飲み会で自分の前に空いたグラスがどんどん集まってくるのはなんでだろうって思ってました。気が付くと、店員さんの代わりに空いたグラスを下げたり、注文したりする係ですよ。
　でも私、しいたけさんのおっしゃる「温度を上げる行為」しているかもしれないです。毎晩寝る前には「今日もぐっすり眠れます！」と声に出して言って寝ていますよ。これは合ってますでしょうか？

しいたけ.　うーん、ちょっと惜しい（笑）。まだ「真面目でいい子」なんですよね。
　ネガティブな方におすすめしたいのが、「宇宙人が地球に侵略してきて、地球人のサンプルを100人だけ残すとしても、私は選ばれる」というフレーズ。
　宇宙人には学歴とか年収とか関係ないですから。「ちょっとネガティブだったりひねくれたところがある自分こそ、選ばれる価値がある」と思い続けると、実際に選ばれる人になるし、運気も上がってきます。
　川村さんもエッセイの中で少しずつ、ご両親だったり周りの人に「こういうことをされて嫌だった」「こういうことをしてほしかった」というのが出てきていますよね。そういう反発心みたいなものをもっと出してもいいのでは、と思います。

川村　昔「お母さんなんて嫌い」って言って、自分がすごく傷ついたことがあるんですよね。やっぱり根が真面目だから……。
　でも、確かに結婚している人たちって、ブレてない！　この私でいい！ って思っている人が多い気がします。私は男性に「選ばれたい」と思っているけど、自分が「選ぶ」とは思っていないのかもしれない。

しいたけ.　さきほどから出てくる「5軍、6軍」っていう言葉がありますけど、世の中で活躍している人って、案外その5軍6軍だった人たちだと思うんです。1軍2軍の人たちが、クラスで文化祭だなんだって盛り上がっている時に、欠席していたのが5軍6軍。でもその後の人生で、自分が見てきたものを武器に世の中に出ていく人って、5軍6軍の人が圧倒的に多い。

川村　私は、人生には「イエーイポイント」があると思っていて。みんな平等にイエーイポイントは持ってるんだけど、1軍2軍の人は、そのイエーイポイントを人生のわりと早めにじゃんじゃん使っちゃう。私なんかは暗かったし、いじめられてたりもしたから、イエーイポイントがまだまだ残ってるんですよ！　だから、お仕事でいろんな素敵な方にも会えるし、40歳になっても、いろんな新しいことに挑戦できてるし……。だから、今若い人でうまくいってない人がいても、「イエーイポイント貯めてるよ！」っていうのは言ってあげたい！